○25集電視連続劇 《八路軍》
http://ent.sina.com.cn/v/m/f/blj/
CCTV(中国中央電視台)で、抗日戦争勝利60周年を記念した連続ドラマ『八路軍』が始まった。つい、最初の数話を見てしまった。
八路軍は、中国共産党の紅軍が、国共合作の成立によって、国民革命軍に改編されたものである。そのうち、華北主力を第八路軍とし、「八路(バールー)」と通称された。民衆の協力を得た神出鬼没、勇猛果敢なゲリラ戦で、大いに日本軍を悩ませた。
もちろん日本人は”鬼子”呼ばわりされる悪役である。そんなドラマを平気で見ているのだから、愛国主義者からは、腑抜けの非国民、と叱られそうだが、正直なところ、特に不快感はない。
ひとつには、敵である日本人は、あまり画面に登場せず、むしろ日本軍に加担した中国人が主要な悪役として描かれているためだろう。端役の日本兵は、中国人俳優が演じて日本語の吹き替えをかぶせているのだが(中国語字幕が出る)、日本語があまりにも稚拙で、もうちょっと金かけろよ~と難じたくなる。
メインキャストは、八路軍の総指揮官・朱徳、副指揮官・彭徳懐らである。勇猛な軍人として名高い賀竜も登場する。もし彼らが、今日まで一途に、抗日戦争の軍神と崇め奉られていたら、私の受ける印象も違ったと思う。しかし、実際には、彼らは1960年代に始まる文化大革命において、次々に失脚し、迫害の中で、非業の死を遂げた者もいる。現在は名誉回復を果たしたわけだが、抗日戦争の勝利以後、彼らを待っている運命の過酷さ、毀誉褒貶の激しさを思うと、なかなか味わい深い歴史ドラマとして楽しめるのだ。
後に彼らに激烈な権力闘争を”仕掛ける”毛沢東も登場する。演じるのは、これまでも毛沢東を当たり役としている唐国強。まだ登場場面は少ないが、底知れない薄気味悪さがよく出ている。
ドラマは、これら歴史上の著名人と、八路軍に馳せ参じた無名の民衆をパラレルに描きながら、進行するらしい。”無名の民衆”の代表として、ドラマは、北京の女子大生、五台山の僧侶、農民などの5人を設定している。第1話で、彼らが数珠か何かの珠を一粒ずつ分け合って「祖国防衛が達成されたとき、もう一度これをひとつにしよう」と誓い合う。こりゃ八犬伝か、水滸伝じゃないか~。
というわけで、おとぎ話の要素も含んだ近代史ドラマ。しばらくは楽しませてもらおう。
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CCTV(中国中央電視台)で、抗日戦争勝利60周年を記念した連続ドラマ『八路軍』が始まった。つい、最初の数話を見てしまった。
八路軍は、中国共産党の紅軍が、国共合作の成立によって、国民革命軍に改編されたものである。そのうち、華北主力を第八路軍とし、「八路(バールー)」と通称された。民衆の協力を得た神出鬼没、勇猛果敢なゲリラ戦で、大いに日本軍を悩ませた。
もちろん日本人は”鬼子”呼ばわりされる悪役である。そんなドラマを平気で見ているのだから、愛国主義者からは、腑抜けの非国民、と叱られそうだが、正直なところ、特に不快感はない。
ひとつには、敵である日本人は、あまり画面に登場せず、むしろ日本軍に加担した中国人が主要な悪役として描かれているためだろう。端役の日本兵は、中国人俳優が演じて日本語の吹き替えをかぶせているのだが(中国語字幕が出る)、日本語があまりにも稚拙で、もうちょっと金かけろよ~と難じたくなる。
メインキャストは、八路軍の総指揮官・朱徳、副指揮官・彭徳懐らである。勇猛な軍人として名高い賀竜も登場する。もし彼らが、今日まで一途に、抗日戦争の軍神と崇め奉られていたら、私の受ける印象も違ったと思う。しかし、実際には、彼らは1960年代に始まる文化大革命において、次々に失脚し、迫害の中で、非業の死を遂げた者もいる。現在は名誉回復を果たしたわけだが、抗日戦争の勝利以後、彼らを待っている運命の過酷さ、毀誉褒貶の激しさを思うと、なかなか味わい深い歴史ドラマとして楽しめるのだ。
後に彼らに激烈な権力闘争を”仕掛ける”毛沢東も登場する。演じるのは、これまでも毛沢東を当たり役としている唐国強。まだ登場場面は少ないが、底知れない薄気味悪さがよく出ている。
ドラマは、これら歴史上の著名人と、八路軍に馳せ参じた無名の民衆をパラレルに描きながら、進行するらしい。”無名の民衆”の代表として、ドラマは、北京の女子大生、五台山の僧侶、農民などの5人を設定している。第1話で、彼らが数珠か何かの珠を一粒ずつ分け合って「祖国防衛が達成されたとき、もう一度これをひとつにしよう」と誓い合う。こりゃ八犬伝か、水滸伝じゃないか~。
というわけで、おとぎ話の要素も含んだ近代史ドラマ。しばらくは楽しませてもらおう。