○田中秀征『日本リベラルと石橋湛山:いま政治が必要としていること』(講談社選書メチエ)講談社 2004.6
名前は聞いたことがあるが、それ以上は何も知らない有名人というのがいる。私の場合、近代以降の日本の政治家は、圧倒的にこのカテゴリーに入る。石橋湛山もそのひとりだ。
”リベラル”と称される一方で公職追放の経験があるのはナゼ?とか、内閣総理大臣になっているのに総理としての業績が伝わらないのはナゼ?とか、基本的な知識が全くない私には、本書は、ちょうどいい入門書だった。ただ、湛山の人となりの紹介に重点が置かれていて、彼の思想をどう評価・分析するかという点では、物足りないように思われた。
戦前、湛山は「大日本主義」の膨張政策を廃して、平和と共存の「小日本主義」を唱えたという。このネーミングは面白いね。「小日本」って、いまや反日中国人の罵言としてポピュラーになりつつあるけど、それを主義として掲げた大政治家がいたというのが面白い。
石橋湛山記念財団主宰、東洋経済新報社(湛山が主幹・社長を務めた)が協賛する、今年の石橋湛山賞が、藤原帰一氏の『平和のリアリズム』 に決まったというのも、本書を読むとうなづける。
名前は聞いたことがあるが、それ以上は何も知らない有名人というのがいる。私の場合、近代以降の日本の政治家は、圧倒的にこのカテゴリーに入る。石橋湛山もそのひとりだ。
”リベラル”と称される一方で公職追放の経験があるのはナゼ?とか、内閣総理大臣になっているのに総理としての業績が伝わらないのはナゼ?とか、基本的な知識が全くない私には、本書は、ちょうどいい入門書だった。ただ、湛山の人となりの紹介に重点が置かれていて、彼の思想をどう評価・分析するかという点では、物足りないように思われた。
戦前、湛山は「大日本主義」の膨張政策を廃して、平和と共存の「小日本主義」を唱えたという。このネーミングは面白いね。「小日本」って、いまや反日中国人の罵言としてポピュラーになりつつあるけど、それを主義として掲げた大政治家がいたというのが面白い。
石橋湛山記念財団主宰、東洋経済新報社(湛山が主幹・社長を務めた)が協賛する、今年の石橋湛山賞が、藤原帰一氏の『平和のリアリズム』 に決まったというのも、本書を読むとうなづける。