見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

ニュース・文化財の返還

2006-07-19 00:21:08 | 見たもの(Webサイト・TV)
■帰ってきた朝鮮王朝実録、近く韓国国宝に指定(朝鮮日報2006/07/16)
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/07/16/20060716000009.html

 やや身内ネタに属するのだけれど、ここに記録しておこう。過日、東京大学は、朝鮮王朝実録」の五台山史庫本47冊をソウル大学に引き渡した。これは、1913(大正2)年、寺内正毅・初代朝鮮総督が朝鮮国内から持ち出したものが、どういう経緯でか、東大附属図書館に入り、その大半は関東大震災で焼失してしまったが、焼け残りの47冊が、今日に伝わっていたものである。

 ハングルのニュース・サイトを見にいくと(読めない)、素っ気ない漢文の版面を嬉しそうに覗き込む人々の写真などがあって、まあ、よかったのではないかと思う。その価値を知る持ち主のもとに行き着いた書籍は幸せである。

 関連して考えたこと。海外に流出してしまった日本の文化財を、ひとつだけ返してもらえるとしたら、何を返してほしいか? いろいろ考えたが、やっぱり『吉備大臣入唐絵巻』かなあ。 迷うのは『平治物語絵詞・三条殿夜討巻』。個人的な好みだけなら前者だが、後者は、日本美術の常識を超えたところがあって、多くの日本人に一度見てもらいたいと思う。どっちもボストン美術館の所蔵。

 プライス・コレクションの若冲なんかは、あそこにあるのが、作品にとっていちばん幸せなのではないかと思える。だから、今のままでいい。
コメント
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