■荊州:紀南城址~江陵楚墓(雨台山古墓群)~荊州城~荊州博物館~元妙観~万寿宝塔
武漢から車で西へ約3時間。荊州は、魏呉蜀の激しい争奪戦が行われた土地として、三国志ファンには馴染み深い地名である。
はじめに紀南城址に立ち寄る。春秋戦国時代の楚の都城址であるというが、草に覆われた丘陵地に石碑が立っているだけで、見事に何もない。「江陵楚墓」というのは、紀南城周辺で発見された、おびただしい楚の人々の墓の総称である。発掘された墓地に潜ったりするのかと思っていたら、田園風景の中で車を停めて、少し歩いたあと、「ここです」と言って、写真の石碑を見せてくれた。まわりの農家のおばちゃんたちが、何事かという顔で、われわれを見守っていた。
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今日は見学箇所が多くて忙しいかと思っていたが、あっという間に2箇所終了。昼食のあと、市中に入って、荊州城の城壁に登る。こういう立派な復元遺跡と、さっきのように「何もない」遺跡のどちらが好きかというと、私は意外と前者だったりする。
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続いて荊州博物館へ。ここは「国家級」や「省級」博物館に比べると、1ランク落ちるはずだが、かつて国家文物局の専門家たちによって「全国地方級博物館トップ10」の1位に選ばれたこともあるという。正面の主陳列館ではなく、奥の珍品陳列館から攻めるのがポイント。古代の漆器と絹織物のコレクションはすごい。特に、紀元前の絹製品があんなに残っているのを見てしまうと、もう正倉院展なんて、どうでもいいやという気分になる。
漆工芸は、あまりにも予想を裏切る造形がたくさんあって面白かった。実は「中国古代文明」って、多くの日本人が考えているより、ずっと豊かで多面的であるように思う。でも、玉器や青銅器と違って、漆器や絹製品を日本に運んで展示するのは、難しいだろうなあ。詳しくは、フォトチャンネルで。ただし、ミイラの写真は(撮ってもよかったのだが)自粛した。
元妙観(唐代創建と伝わる道教寺院)に寄り、長江河畔の万寿宝塔(明代)を訪ねる。塔の基壇が、現在の地面より、かなり下にあるのが面白い。須弥壇の背後に隠し階段(?)があって、塔の最上階まで登ることができる。外壁にも、仏像や銘板が少し残っているが、内部はさらに多くの仏像タイルで荘厳されている。
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最後に、夜の飲み会用に調達したスナック菓子。「多嘴魚(おっとっと)」には、「三国伝敢達(ガンダム)」の組み立ておもちゃが付いていて、私は「孫権ガンダム」を当てました。
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(8/27記)
武漢から車で西へ約3時間。荊州は、魏呉蜀の激しい争奪戦が行われた土地として、三国志ファンには馴染み深い地名である。
はじめに紀南城址に立ち寄る。春秋戦国時代の楚の都城址であるというが、草に覆われた丘陵地に石碑が立っているだけで、見事に何もない。「江陵楚墓」というのは、紀南城周辺で発見された、おびただしい楚の人々の墓の総称である。発掘された墓地に潜ったりするのかと思っていたら、田園風景の中で車を停めて、少し歩いたあと、「ここです」と言って、写真の石碑を見せてくれた。まわりの農家のおばちゃんたちが、何事かという顔で、われわれを見守っていた。
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今日は見学箇所が多くて忙しいかと思っていたが、あっという間に2箇所終了。昼食のあと、市中に入って、荊州城の城壁に登る。こういう立派な復元遺跡と、さっきのように「何もない」遺跡のどちらが好きかというと、私は意外と前者だったりする。
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続いて荊州博物館へ。ここは「国家級」や「省級」博物館に比べると、1ランク落ちるはずだが、かつて国家文物局の専門家たちによって「全国地方級博物館トップ10」の1位に選ばれたこともあるという。正面の主陳列館ではなく、奥の珍品陳列館から攻めるのがポイント。古代の漆器と絹織物のコレクションはすごい。特に、紀元前の絹製品があんなに残っているのを見てしまうと、もう正倉院展なんて、どうでもいいやという気分になる。
漆工芸は、あまりにも予想を裏切る造形がたくさんあって面白かった。実は「中国古代文明」って、多くの日本人が考えているより、ずっと豊かで多面的であるように思う。でも、玉器や青銅器と違って、漆器や絹製品を日本に運んで展示するのは、難しいだろうなあ。詳しくは、フォトチャンネルで。ただし、ミイラの写真は(撮ってもよかったのだが)自粛した。
元妙観(唐代創建と伝わる道教寺院)に寄り、長江河畔の万寿宝塔(明代)を訪ねる。塔の基壇が、現在の地面より、かなり下にあるのが面白い。須弥壇の背後に隠し階段(?)があって、塔の最上階まで登ることができる。外壁にも、仏像や銘板が少し残っているが、内部はさらに多くの仏像タイルで荘厳されている。
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最後に、夜の飲み会用に調達したスナック菓子。「多嘴魚(おっとっと)」には、「三国伝敢達(ガンダム)」の組み立ておもちゃが付いていて、私は「孫権ガンダム」を当てました。
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(8/27記)