見もの・読みもの日記

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個性と調和/茶道具取り合わせ展(五島美術館)

2014-01-20 00:04:05 | 行ったもの(美術館・見仏)
五島美術館 『茶道具取り合わせ展』(2013年12月7日~2014年2月16日)

 五島美術館の最得意分野の茶道具取り合わせ展。正月休みに行ったものだが、記憶を呼び起こして書いておく。展示室に入って、あ、いつもと違う!と思ったのは、壁に沿った展示ケースに全て畳が敷かれていたこと。そして、床の間・違い棚などをしつらえて、茶室の雰囲気を再現したものが三か所。

 冒頭には、秀吉の消息と千利休の書をそれぞれ掛軸にしたものが並ぶ。表具が二人の対照的な個性をそのまま表していて、面白い。そして、最初の再現「茶室」(富士見亭)には、武野紹鴎の消息を掛ける。以下、小鉢、皿、茶入と仕覆などが並ぶのだが、茶入がデカい。リンゴの大玉くらいある。焼きものは伊賀、備前など、男っぽいもの多し。五島慶太のイメージにぴったりくる。

 徳利に盃の取り合わせが何組か並んでいたが、古備前の徳利に赤絵金襴手の盃と盃台、祥瑞(染付)の徳利に黄瀬戸の盃、絵粉引徳利に色絵和蘭陀盃、どれもよかった。楽しいな~。敢えて同じテイストで揃えないところがよい。

 再現「茶室」は、ほかに古経楼と松寿庵。古経楼は田健治郎が台湾檜を用いて建築した茶室で、のちに五島慶太の所有に帰した。木肌がみずみずしく、柄が大きいのもよい。狭くて暗いだけが茶室ではないのだから。松寿庵は、古経楼の中に五島慶太が作ったものだそうだ。

 珍しかったのは、名物裂と裂手鑑や裂箪笥。個人的にお気に入りは、明代の青貝布袋香合。古伊賀の水指『破袋』も出ていたが、あまりに個性が強すぎて「取り合わせ」の中では、少し浮いていたように思う。

 なお、映画『利休にたずねよ』とはタイアップ企画らしく、展示室2に、撮影用に作られた茶道具などが展示されていた。まあこの映画は見ないでいいだろうと思っている。
コメント
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