見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

アイスショー"THE ICE 2018" 愛知公演2日目(千秋楽)

2018-08-06 22:23:38 | 行ったもの2(講演・公演)
THE ICE(ザ・アイス)2018 愛知公演(2018年8月5日 14:00~)

 思い立って、またアイスショーを見てきた。"THE ICE"は2007年から開催されている老舗のアイスショーだが、私は一度も行ったことがなく、チェックもしていなかった。それが、先週末、大阪公演の様子がSNSに流れてきたら、なんとボーヤン・ジン(金博洋)が出演しているのか! ネイサン・チェンも! 宇野昌磨くんとのスリーショット最高じゃないか!!と衝撃を受けた。慌てて翌週の愛知公演のチケットを探して、日曜公演(千秋楽)をゲットした。

 会場は、愛知県長久手市の愛・地球博記念公園(モリコロパーク)アイススケート場である。ここはアイスショーのための仮設リンクではなく、ふだんは誰でも滑れるスケート場として営業されている。利用者のためのロッカーや貸し靴のカウンターが黒い布で雑に隠されていて、逆に微笑ましかった。最もリンクに近い2列が「氷上プラチナシート」で、私はその後方の「アリーナ席」の最前列だったが、パイプ椅子をつなぎあわせた席で、かなり窮屈だった。しかしリンクが近くて、スケーターの表情がよく見えるし、目の前を通り過ぎていくときのスピードが実感できるのはすごくいい。

 オープニングは、全ての出演スケーターが、それぞれ自分の衣裳で登場し、わちゃわちゃと滑った。宇野くんは黒をベースに上半身キラキラの、彼としては比較的落ち着いた雰囲気の衣裳。坂本花織ちゃんはスカートがふくらんだ緑色の衣裳。ボーヤンは素肌にベスト(?)のワイルド系だった。

 出演者を全て書いておくと、男子は、宇野昌磨、ネイサン・チェン、ドミトリー・アリエフ、ボーヤン・ジン、セルゲイ・ヴォロノフ、無良崇人、織田信成、友野一希。女子は、アリーナ・ザギトワ、宮原知子、ガブリエル・デールマン、坂本花織、三原舞依、長洲未来、マライア・ベル、本田真凜。アイスダンスのガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シズロン(パパシズ)、ペアのヴァネッサ・ジェイムス&モルガン・シプレ。そして「Next Generation」枠で日本のジュニア選手が日替わりで参加。千秋楽は横井ゆは菜ちゃんだった。

 ボーヤンのスパイダーマン・プロは初めて見た。ジャンプは盛大にコケてしまったが、終始楽しそうで何より。背が高くなり、腰まわりががっしりして、動きがシャープになった。そしてお客さんへのアピールも別人のように上手くなった。私の後ろの女性グループは「かわいい~かわいい~」と叫びっぱなしで、演技後は客席のあちこちで応援バナーや中国国旗が掲げられていた。なにこの人気! 友野一希くんのリバーダンスは、半端ない運動量と熱量で魅せる。前半の最後は、先月、暴漢に襲われて不慮の死を遂げたデニス・テン(カザフスタン)を追悼する特別なプログラム。男女10人ほどのスケーターが黒衣装に白いスカーフをつけて登場し、デニスの思い出の曲「Tu Sei」に載せて鎮魂の祈りを表現した。

 後半は、ご陽気な「ジャンプ大会」でスタート。進行役の織田信成くんと長洲未来ちゃんがリンク上に登場する。はじめに女子チャンピオンのザギトワがドアラの扮装で登場。頭にドアラの耳をつけ、小さな秋田犬(マサル)のぬいぐるみを三匹くらい抱いた姿は超キュート。リンクをまわって、お客さんにマサルをプレゼントしていた。続いて登場した宇野くんはなんと女装。黒Tシャツの上に縦じまの肩紐ワンピースを着て、短い髪はツインテールふうにピンクのリボンで結び、両頬にピンクのハートを描き入れて、可愛いのか不細工なのかよく分からない。しかし、この扮装でも、ジャンプはきっちり決め、お客さんの拍手でザギトワを上回って勝利した。

 勝利者インタビューで織田君が「今日はある方が見に来ていらっしゃるそうですね」と尋ねる。宇野君の「ええ、浅田真央さんが…」の答えに場内どよめき。どうやら北側アリーナの高いところに座っていたようだが、私の位置からは機材に隠れて見えなかった。"THE ICE"は浅田真央による真央ファンのためのアイスショーと言われてきたもので、今年は浅田真央の出場しいない「新生THE ICE」の公演だった。その結果、私のように新たなお客が引き付けられて来た一方、長年のファンはどこか寂しかったに違いない。素敵なサプライズを見せてもらった。

 三原舞依ちゃん、坂本花織ちゃんは、それぞれ持ち味を生かしたプロで、挑戦する姿が男前でカッコよかった。アリエフとヴォロノフは、ロシア男子らしい芸術性の高いプロ。ネイサン・チェンの「キャラバン」は、ずーっと滑って回って跳んで動きっぱなしなのに音楽から微塵もブレない。すごい。トリは宇野昌磨くんの「天国への階段」で、小さい体が圧倒的に大きく見えた。

 フィナーレは、ザギトワ、長洲未来、宮原知子が白いお姫様衣装で登場し、ザギトワがひとり残ったところに宇野昌磨くんが現れて、王子とお姫様スケーティング。ザギトワが退場すると、客席からネイサンとボーヤンが踊り込んできて、男子三人のコラボ! ネイサン→昌磨→ボーヤンの順にきれいなジャンプをきめて、会場大歓声だった。

 そしてグランドフィナーレは客席もマサルダンス(詳細略)で盛り上がる。スケーターたちの周回が終わって、いったん退場したあと、拍手に応えて、みんなもう一回出てきてくれた。そしてアンコール周回も終わったかと思ったら、なぜか宇野昌磨くんだけが、再登場。宇野くん、何かパフォーマンスをするわけでもなく、困ったような表情でリンクの中ほどまで出てきて、ぺこっと頭を下げて戻って行った。人のよさ全開で笑ってしまった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする