見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

葬儀私記(その2-2)

2022-11-20 13:50:00 | 日常生活

※葬儀私記(その2-1)の続き。

 11/18(金)弟が世田谷北部病院から介護タクシーで母を連れてくるのを、私は久我山の介護施設で待った。到着してベッドに寝かされた母は、目も開かず、呼びかけてもほとんど反応を示さなかった。けれどもスタッフの皆さんが、クッションや毛布で体勢を整えてくれたり、足の爪を切ってくれたり、気を遣ってくれるのが嬉しかった。訪問医の往診を受け、入居契約の書類を作成するなどして長い1日が終わった。

 11/19(土)は弟と二人で武蔵境の施設に行き、借りていた居室の片付けを終わらせた。スタッフの皆さんの寄せ書き色紙をいだだけて感激した。無人になった部屋の写真を載せておく。父を看取った部屋でもある。

 それから久我山の施設を訪ね、加湿器とひざ掛けまたは毛布があるとよい、と聞いたので、ホームセンターで購入して設置した。

 11/20(日)弟は昼前に母の様子を見に行ったらしい。私は出光美術館で少し息抜きをして、午後から行こうと思っていた。美術館を出て有楽町の駅前あたりを歩いていると、久我山の施設から電話が入って「会いにきたほうがいい」とのこと。弟に連絡をして、久我山へ向かう。

 私が施設に到着したのは13:00過ぎだったと思う。弟はすでに来ていた。母は目を閉じていて、乾燥防止のためマスクをした口元が規則的に動いていた。もっとも酸素ボンベを装着しているので、実際の呼吸は鼻で行われていたはずだ。私が到着したので、弟は食事に出かけていった。まもなく看護師さんが部屋に入って来て、母の痰の吸引をしてくれた。「もう私では心拍数が取れないので…お昼間のうちですかね、夜ですかね」みたいなことを淡々とおっしゃってくれたので、こちらも覚悟ができた。看護師さんが出ていったあと、スマホのYoutubeで童謡を流しながら見守っていたが、痰のからんだ呼吸を続けていた母が、ふつっと静かになったのは13:50頃だった。父の経験があったので、あまり慌てず、ナースコールでスタッフを呼んだ。看護師さんが様子を確認し、「お医者さんを呼びますのでこのままで」と言ってくれた。

 やがて弟が戻ってきたが、父のときも看取りの瞬間に居合わせなかった間の悪い弟なので苦笑してしまった。医師に死亡を確認してもらい、施設に紹介してもらった葬儀屋さんと今後のことを打ち合わせた。父のときは、施設のスタッフの方々が清拭・着替えをさせたあと、葬儀屋さんが管理する安置所に運ばれてしまったが、今回は「エンゼルケア」担当の方々が施設にやってきて、短時間で見違えるようにきれいに整えてくれた。そして、施設のベッドに寝かせたまま一晩置くというので、私と弟は帰宅した。

 翌11/21(月)は納棺の儀のため13:00に施設に集合した。私と弟の二人だけの予定だったが、前日、母の実家に連絡したところ、母のお兄さんから立会いたいという申し出があり、息子夫婦と三人で来てくれた。母の姉(故人)の娘さんも来てくれて、にぎやかなひとときになった。母の遺体は白い布にくるむようにして持ち上げられ、棺に納められた。棺は、マットレスを取り払ったベッドの上に安置された。

 11/23(水)は祭日。小雨の降る寒い日だった。14:10に施設に集合と言われていたが、早めに行って、棺に追加で入れたいものを見つくろう。9月以降に購入して着てもらえなかったブラウスとセーター、履きなれた靴、ひざかけ、文庫本(山本周五郎)、深川伊勢屋の和菓子も入れた。茶道用の扇子をそっと入れようとしたら、葬儀屋さんが、開いて胸の上に置いてくれたので、なんだかずいぶん華やかになった。切り花をたっぷり入れ、施設のスタッフの方々も花束を入れて手を合わせてくれた。そして同じ区内の堀ノ内斎場へ向かう。

 斎場は15:30の予約だったが少し早く着いた。出棺前にゆっくりお別れをしてきたので、斎場でのお別れは簡素だった。焼き上がったお骨を骨壺に収め、入れ歯とペンダント時計と指輪(瑪瑙か?)を一緒に収めた。雨の中、弟の車で久我山の実家に骨壺を持ち帰り、葬儀は終わった。

 そして本日11/27(日)久我山の介護施設の部屋を片付けて退去手続きを済ませてきた。生前に3日、永眠して3日しかお世話になれなかった部屋だが、記念に写真を残しておく。

 まだやることはいろいろあるが、ひとまずここまで。

2022/11/27記。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 葬儀私記(その2ー1) | トップ | サッポロクラシックで晩酌 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日常生活」カテゴリの最新記事