「早池峰というひびきのいい名前で、この山は早くから私の胸にあった。」 とは「日本百名山」の著者である深田久弥の言葉である。
早池峰の語源はアイヌ語で「paha(東)ya(陸)chinika(脚)」という説があります。 早池峰山(1,917m)は、わが国では地形の生い立ちが最も古い山の一つに数えられ、対峙する薬師岳と共に北上高地の代表的な山岳風景を形づくっています。 早池峰山と薬師岳(1,645m)は、それぞれ蛇紋岩と花崗岩により形づくられ、基岩相違による植物相の対象が顕著に見られ、ハヤチネウスユキソウ、ナンブトラノオ、ナンブイヌナズナ、ヒメコザクラ、ナンブトウウチソウなどの固有種、稀産種を含む数多くの高山植物が生育し、わが国における高山植物の宝庫となっています。
今回で二度目の早池峰登山であります。 初回訪問時は快晴の中、対峙する薬師岳を望み、また竜ガ馬場付近から8合目のクサリ場そして左手に山頂が伺える雄大な景色の中を登高しました。 が、今回は小雨と濃霧の中、スタートから合羽で身を固め汗かきの自分には辛い登山となりました。
でも、あの目的であるハヤチネウスユキソウがふんだんに見られました。 それも苞葉の集まりである白い綿毛に覆われた部分に、ダイヤモンドのような水滴を付けた素晴らしいウスユキソウをです。
今回は「ネイチャートレイル」と言う山の歴史、高山植物、そして自然保護に詳しい先生と共に尋ねるハイキングサークルの、お手伝いとして参加しました。 そんな関係で自由に行動できる事もなく写真は余り撮れませんでした。 総勢45名、先生が先頭で自分は中間を担当、別の係員が最後尾を歩く形で出発しました。 参加人員が45名と聞いてビックリでしたが、このサークルの方々は年齢60歳を越えた方々で、皆さん紳士・淑女。 手の掛からないのに、これまたビックリしました。 バスの乗降、集合時間、短時間での身支度、総てに行動が迅速、自分があおられる感じでした。
小雨と霧の中、皆さん元気に出発しましたが夜行バスでの強行で体調を崩された方が一名、森林限界を抜けた五合目の岩場付近で「これ以上の登高は無理」との申し出があり、最後尾の係員と共に下山。 その後は自分が最後尾を担当、会員さんの登山を後ろから見守りました。 44名は9時前に早池峰山山頂を踏み、河原の坊登山口に向け下山を開始。 落石の発生しそうな急なガレ場の下降であり慎重な行動を依頼しました。 岩が大木の様にそそり立っている「打石」(ぶついし)という所で休憩をしている五人のグループを見かけましたがサークルの会員かどうか?確認しないで下山。 私の後ろにいた写真好きのおじさんが救援を求めて来た女性から「仲間の女性が肉離れをして歩けないらしい」と聞き、慌てて私に連絡を下さり、ビックリ。 これから下は一本道なので慎重に下山されるようおじさんに依頼し、私は戻りました。
登りながら肉離れは、どう処置したらと考え、伸縮用のテーピングテープをザックに入れた記憶があり、これで何とか?処置しようと考えました。 女性は仲間から杖を借り、ユックリ自力下山をしており、症状を尋ねたら「右足の太ももが痛い」と言われ、右足をかばっていたら左足に負担が掛かり過ぎてしまうと思い、急な 斜面であったが、立ったまま痛いと言う右足の太ももに強めにテーピングをし、左足の膝にもテーピング処置。ゆっくり下山を開始した。
頭垢離(こうべごうり)標高1,350mを通過した所で、体調不良の人と共に下山した係員が下から応援に来てくれ、最後の会員全員無事下山できた。 お疲れ様でした。
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