行き先不明人の時刻表2

何も考えずに、でも何かを求めて、鉄道の旅を続けています。今夜もmoonligh-expressが発車の時間を迎えます。

「土木遺産」の名誉はもらったものの…早く応援に行かないと!

2022年01月07日 | 土木構造物・土木遺産
まだ雪の季節はこれからが本番と言っておきながら、春になったらどこに出かけようかと、パソコンの前に座ると「グーグルマップ」を開いて北へ行ったり、南に出たり、結構忙しい時間を過ごしている?
そんな中で、只見線に忘れ物をしているので、ぜひとも季節を見計らって今一歩、奥会津に足を踏み入れようと思っている。金山町、只見町と奥会津の奥地、只見線や只見川もここからの見どころが頭の中に広がっている。
ひょんなことで只見線をリサーチしていると、あれ?「只見線鉄道施設群」が今年度(令和3年度)の土木学会・選奨土木遺産に認定された。福島県の鉄道関連では、先に紹介した「磐越西線鉄道施設群」に次ぐ2件目(福島県では7件目)。(※土木学会選奨土木遺産のページ→https://committees.jsce.or.jp/heritage/node/1152、このブログでの「磐越西線鉄道施設群」関連記事:2020年7月15日→https://blog.goo.ne.jp/jikokuhyou485/e/1ddaa750a166677e5ae217c792cfd66e、同年9月29日→https://blog.goo.ne.jp/jikokuhyou485/e/40c3785915dc3420896f36ed0b8cc841



只見線の鉄道施設が認定されたのは、これまた先に触れているが「第一只見川橋梁(写真上。2021年6月3日記事参照→https://blog.goo.ne.jp/jikokuhyou485/e/f068979f126b926430702ae324fcaf69)」を含む16の橋梁(その一つ「第四平石川橋梁は新潟県魚沼市)と、新潟県境の「六十里越トンネル」。このブログでも紹介した「大川橋梁」や「第二只見川橋梁(写真上)」も含まれている。
第一只見川橋梁は国際的にもその優美な姿が評価されていたが、沿線一帯が四季折々の風景を醸し出す観光地であるとともに、豪雪地帯を結ぶライフラインとしての重要性が評価されたようだ。
土木遺産の認定をきっかけに観光や地域の活性化が図られればよいが、気になるのは2011年の「平成27年7月新潟・福島豪雨」で落橋した「第六只見川橋梁」と「第七只見川橋梁」が含まれていないことだ。只見線はこの豪雨で大ダメージを受けた。

第五只見川橋梁と第八只見川橋梁は、一部のプレートガーダー橋の部分が落橋したものの、主な橋桁であるトラス橋部分が残っていたため、今回の認定に加えられたものと思われる。ただ、今のところ不通区間にあり、新しい橋を架け替えている。
第五と第八は主桁は下路トラス(トラス橋の下の部分に線路が敷かれている方式)で、落橋した第六、第七は上路トラス方式(トラス部分の上に線路があり、下が水面に近いところにあるため流失につながった(橋台部分が削られたところもある。)。
只見線は、全線復旧を目指して工事中。2021年度中(令和4年3月まで)に完了する予定だったが、「2022年上半期に完了し、2022年中の運転再開を目指す」という、微妙な言い回しでもどかしいほどの先延ばしがJR東日本から発表されている。

日本でも屈指のローカル線の只見線。利用度の少ない路線として、JR東日本管内では、岩泉線が廃止になったのでワースト1。JR全線でも、下位にあった三江線が廃止。留萌線や日高線の一部廃止などを受けて、ワースト5に迫る勢いで乗降客は激減している。ここをJR東日本は突いてくる!
福島県と沿線の自治体は大きな負担(工事費の2/3)をし、かつ上下分離方式で復旧区間の鉄道施設を福島県が保有する「上下分離方式」を決めている。JRの鉄道敷地は無償譲渡されるが、使用料は減免されるとか。
勲章(土木遺産)はもらったけど、それだけでは食べてはいけない?八十里越(国道289号)の開通(三条市~只見町)などのニュースも飛び交い、オミクロンも怒涛の攻撃を見せている昨今、早く応援しに行きたい気持ちが募るばかりだが。
(写真下:会津川口駅構内、ここから先は未だ普通区間(代行バス)。そして只見駅のホームで。いずれも2003年秋撮影。)

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