「宵闇真珠」クリストファー ドイル、ジェニー シュン監督 香港マレーシア日合作☓☓
香港の(多分今はない)水上の村に住む奇妙な病の少女と異国の青年との出会いを叙情的に描きました。
日光にあたると体力が落ち母親のように死んでしまう、と父親に言われて育った少女(アンジェラ ユン)は昼間は大きな帽子にレインコートそして長靴を放せません。学校では「白女」といわれ避けられていました。孤独な少女は日が落ちてから秘密の岩場でひとり歌をうたう事が唯一の楽しみでした。そこへ日本人の青年(オダギリ ジョー)が現れます。彼は村にある廃墟となっている「お化け屋敷」に住み始めていました。ふたりの交流はほとんど深まることもなく、あることをきっかけにあっさりと青年は去ってしまうのでした。
という淡白な恋物語を縦糸とし、静かな漁村に押し寄せる観光客を装った開発者の傍若無人な態度とそれに迎合する村長一派。村の人は反対することもできず、青年と少女の関係と同じようにいつのまにか変わっていってしまうという生々しい現実が横糸になって物語は織りなされます。摩訶不思議な廃墟の建物と、香港版「ピタゴラスイッチ」が楽しいリサイクル店の僧侶と少年がファンタジー感を盛り上げています。今は開発されて様変わりしてしまった古い生活へのノスタルジーあふれる作品です。
アンジェラ ユンの華奢な太ももが美しくまさに真珠です。いくつになっても青年役が似合うオダギリが「異邦人」らしさを醸し出していました。
タバコは、村の人が喫煙する場面がちらほら(☓)。不良っぽい生徒が野外で授業中喫煙しても教師は何も言わない、という日本ではありえない光景もありました。(☓)オダギリが喫煙せず、青年の人畜無害、無味無臭な性格を表現していました。