many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

2011-09-21 19:24:28 | 岡崎京子
岡崎京子 2011年9月 祥伝社
ちょっと前から取り沙汰されてた、「岡崎京子未完作品集」。
八月刊行予定って聞いてたんだけど、延びてた。出たって情報を得たんで、おととい買いに行って、即行読んだ。
全3話予定だった「森」は、1996年に第一話が発表されたっきり。
ヲカザキが何を目指してたのかは分からないけど、なんかとてつもない物語世界を用意してたような気がする。
それこそ、深い森に迷い込まされるような。
ほかの、これまで未収録だった作品のなかでは、やっぱ私は80年代のものがイイ感じだと思う。
コンテンツは、
「森」
「口に口紅 目に青葉」(1985年)
「秋は柿色」(1985年)
「GO GO!! 中学生」ほか(初出不明)
「毎日がクリスマスだったら…」(1988)
「ショコラな気持ち」(1990)
「タルカムパウダー」(1991)
「イラスト・エッセイ」(ちかごろのア・タ・シ)(1992)
「やさしくしてね」(1995)
「BABY IN ACTION GO!! GO!! GO!!」(1995)
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東方見聞録

2011-08-29 13:44:12 | 岡崎京子
岡崎京子 2008年 小学館
こないだからのつながりで、岡崎京子。
東方見聞録ってタイトルは旅行記っぽいけど、ある日突如おしかけてきた女の子のほうがハワイ出身なんで、そんな大げさなタイトルになってるんだと思う。
副題は「市中恋愛観察学講座」で、東京都内を中心とした街なかを高校生カップルが探訪するっつー話。
帯に「20年前の幻の長編傑作を初単行本化!」ってあるように、初出は1987年のヤングサンデー。
(単行本になってなかったってことは、ヲカザキ本人が納得してなかった可能性があるから、傑作って言っちゃっていいのかは気になるけどね。)
いろいろ読み返してみて、最後にこれ読んでみると、私の個人的な趣味としては、やっぱこの時代の岡崎京子作品がいちばん好きかな、と今は思っている。「ジオラマボーイ・パノラマガール」とか、「くちびるから散弾銃」とか。


さてさて、それはそうと、私の持ってる岡崎作品を、気の向いたときに並べてきたけど、本書で一応おわりである。
どの単行本にどの短編が入ってたっけ、どんなキャラが出てくるどんな話だっけ、っていうのを、自分で検索する用にweb上にメモっとくっていうのが、このブログ始めたときのひとつの目標だったんで、ほぼそれは達成ってことになる。
だから、これでしばらくヤメちゃってもいいかな、と思わないこともない。
ただ、情報によると、こんどまた「森」って、単行本未収録作品が刊行されるらしいんだよね。(8月の予定だったのが延びたらしい。)

それに、次は諸星大二郎作品のリスト化もしなきゃ、って別の目標もあるんで、もうしばらく続けなきゃいけないかなーとも思う。
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秋の日は釣瓶落とし

2011-08-01 20:08:01 | 岡崎京子
岡崎京子 2006年 双葉社
2006年になって、なぜか出た、単行本。
初単行本化ということで、『秋の日は釣瓶落とし』全3話と、『ハンバーガー』というオールカラーの初期の超短編全3話(春2ページ、夏2ページ、秋3ページ)のみ。
『ハンバーガー』の年代はよくわからないんだけど、画は『退屈が大好き』のころに似てると思います。
『秋の日は釣瓶落とし』は1992年秋の作品ということで、『危険な二人』や『愛の生活』のころってことなんだけど、感じも似てます。
働きづめだった父が過労死して、母と長男夫婦で葬儀をだしてると、そこへ、えーと、なんだ、身体は男性だけど身なりと心は女性の(?)次男が帰ってくる。んで、だんだんと、家族が壊れてく。
こーゆーの描かせたら、やっぱヲカザキにかなうひとはいないねー。
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女のケモノ道

2011-07-22 18:33:24 | 岡崎京子
岡崎京子 2005年 文藝春秋
ヲカザキの、えーと、なんだ、エッセイマンガ(巻末の解説におけるよしもとばななの表現)。
2005年に刊行されましたが、初出は『CREA』の1994年から96年にかけての連載です。
エッセイとは言われてますが、そのなかみは、まんが家の岡崎京子、書店バイターの清岡卓美、某出版社編集者の天野鈴子の鼎談です。鼎談っていうと固いな、表現が。
帯のウラっ側にいわく、“失恋、流行りもの、引き締め、占い、年下のカレなど、20のきびしくけわしい「女のケモノ道」をしゃべり倒す!”ということで、しゃべくりまくってるノリがそのまま本になってます。
「くちびるから散弾銃」みたいで、キライぢゃないです、私は。
>私は「心がわりの相手は僕に決めなよBYオザケン」につきるなぁ。マイ・スウィーテスト・ワードは。言われてみたいなりなり~。
とかって岡崎京子の発言とか、その一例。
「女の○○道」ってテーマのトークで、勢いで数々の暴言も飛び交ったりしてるようだけど、毎回のように“今回もまとまらなかった”で締められてるように、とりとめがないんだけど、まあ、そこがいい本です。

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ハプニングみたい

2011-07-15 18:18:13 | 岡崎京子
いとうせいこう×岡崎京子 1992年 講談社
持ってる岡崎京子の単行本を、基本的には年代を追って、ずっと並べていきたいってのが、このブログのテーマのひとつではあったんだが、もうすぐ完了するかもしれない。
(と言いつつ、この夏、新刊が出るというウワサあり。…うれしい。)
前回の「ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね」は、マンガぢゃなくてヲカザキの散文集だったんだけど、もうひとつ変わったのがあった。
時代はさかのぼって1992年のものだけど、文を書くのがいとうせいこう、絵を描くのが岡崎京子という、「クールな共同作業、というのが本書のコンセプト」(冒頭のいとうせいこうの「本書のなりたち」による)って本。
この組み合わせに、本屋ではなかを見ずにすぐにつかんでレジに行ったと思います、私。
しかーし、おもしろいかといわれると、微妙な本です。
なぜなら、つくりがマンガぢゃないし、エッセイに挿絵をつけてるようなものでもないからです。
さきほどの「本書のなりたち」に、各話のつくりかたが説明してあります。
絵を描く人は一話につき、基本的に一枚の絵を描きます。ただし、途中でコピーをしなければなりません。出来ればホワイトを使うことなく、完成に向かう過程をコピーすることで見せていきます。
すると、一話分で十数枚の絵が出来上がります。絵を描く人は、まるでパラパラ漫画みたいに解体されたその絵を、黙って文字を書く人に渡します。
今度は文字を書く人の作業です。順番を変えないままで、その十数枚の絵に文字をつけていかなければなりません。物語でも詩でもエッセイでも、形式は自由です。
一話 救世主クロエ
二話 ミルとミズ
三話 バラバラな宇宙
四話 明るい部屋
五話 彼らは
六話 目玉狩り
七話 電話
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