諸星大二郎 平成1年 潮出版社・希望コミックス
タイトルのとおり、「無面目」と「太公望伝」という中編2つが入った単行本。
「無面目」は、いいですよぉ。好きなマンガのひとつに、自信をもって、挙げられます。
無面目というのは、中国の神なんだけど、本当の名前は混沌という。
>人の姿をしているが、顔はなく、天窮山の岩の上で深い瞑想にふけっている。天地開闢の前から思索を続けている
この神は、天地の始まりのときから存在しているので、宇宙のことについて知らないことはない。
この神に宇宙のはじまったころについて訊こうと、南極老人と東方朔の二人の神仙が会いにいき、のっぺらぼうなところへ顔を描く。
描かれた目鼻や口がそのまま動き出して、混沌は質問に答えてくれるんだけど、それまで外部からの刺激なしに純粋な瞑想しかしてこなかった神が、この新たな感覚をおもしろく思って、人間界へ降りて行ってしまう。
世は漢の武帝の時代なんだが、混沌は政争に巻き込まれ、それでもなんせ神なもんだから、人間たちをゲームの駒くらいにしか思ってなくて、適当に遊んでたりする。
人間たちのなかにはいってくうちに、顔のない思索の神だった混沌が、笑いや恐れといった感情を徐々に獲得してく過程が、すっげえ面白い。
タイトルのとおり、「無面目」と「太公望伝」という中編2つが入った単行本。
「無面目」は、いいですよぉ。好きなマンガのひとつに、自信をもって、挙げられます。
無面目というのは、中国の神なんだけど、本当の名前は混沌という。
>人の姿をしているが、顔はなく、天窮山の岩の上で深い瞑想にふけっている。天地開闢の前から思索を続けている
この神は、天地の始まりのときから存在しているので、宇宙のことについて知らないことはない。
この神に宇宙のはじまったころについて訊こうと、南極老人と東方朔の二人の神仙が会いにいき、のっぺらぼうなところへ顔を描く。
描かれた目鼻や口がそのまま動き出して、混沌は質問に答えてくれるんだけど、それまで外部からの刺激なしに純粋な瞑想しかしてこなかった神が、この新たな感覚をおもしろく思って、人間界へ降りて行ってしまう。
世は漢の武帝の時代なんだが、混沌は政争に巻き込まれ、それでもなんせ神なもんだから、人間たちをゲームの駒くらいにしか思ってなくて、適当に遊んでたりする。
人間たちのなかにはいってくうちに、顔のない思索の神だった混沌が、笑いや恐れといった感情を徐々に獲得してく過程が、すっげえ面白い。