many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

わたしを離さないで

2012-06-13 20:39:58 | 読んだ本
カズオ・イシグロ 土屋政雄訳 2008年 早川書房・ハヤカワepi文庫版
こないだ村上春樹の『雑文集』を読んだんだけど。
そのなかに、カズオ・イシグロの研究書の序文として書かれた「カズオ・イシグロのような同時代作家を持つこと」という一節があって。
「一人の小説読者として、カズオ・イシグロのような同時代作家を持つことは、大きな喜びである。」とか書かれている。
んで、まあ私も読んでみようかと思ったわけで。
なんだかよくわかんないけど、本書を選んでみた。なんでもよかったんだけど。映画化もされてるって情報もあったからかな。
>わたしの名前はキャシー・H。いま三十一歳で、介護人をもう十一年以上やっています。
で始まる物語なんだけど、介護人の具体的な仕事っぷりは、ボヤンとしてるまま話は進んでいくんだけどね。
「提供者」とか「回復センター」とか、妙な単語がでてきて、なんかものすごく不吉な感じ、禍々しい雰囲気に包まれたまんま、淡々と語られていくんだな、これが。
主人公たちは、保護官と呼ばれる先生たちに指導される、なんか特殊な環境で、子どものときから共同生活をしてるんだけど。
主人公の回想って形で語られてるから、いきなり主人公に悲劇が襲いかかることはないんだろうなってことはわかるんだけど、あとの登場人物にはいつ何が起こっても不思議ぢゃないなーっていう不安な気分にさせる、それでそのまま読まされていく小説。
あんまり好きぢゃないなあ、こーゆーの。

コメント
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