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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

スラン ~世界SF全集17

2018-07-07 17:54:13 | 読んだ本
A・E・ヴァン・ヴォクト/浅倉久志訳 1968年 早川書房・世界SF全集17ヴォクト
A・E・ヴァン・ヴォークトを読んでみようと思ったのは、『おんなのこ物語』を読んでたときだ。
その前に読んだ『緑茶夢』に出てくるバンドの名前がスランっていうんだけど。
まあ、マンガに出てくるバンドの名前がなんであっても気になんかしなかったんだが。
『おんなのこ物語』でステッカーってバンドがこわれかけてきて、ベーシストの水野が新しい自分のバンドをつくるんだけど。
あるとき、水野がドラマーの八角に「これ読んでみろ おれのバンドの名だ」って差し出す本のタイトルが、『スラン』。
えー、本の名前だったんだ、そうなると気になってしまって、読んでみたくなるのが私の性分で。
調べてみたら、どうも普通に書店では手に入りにくそうな状況らしい、『宇宙船ビーグル号の冒険』とは違って。
まあ、のんびりと古本屋で探しゃいいやと思ってたが、“ビーグル号”読んでみたらわりとおもしろかったんで、早く見つけたくなってきた。
で、5月の古本まつりで、けっこうSFとかミステリの文庫たくさん並べてる店があって、ヴァン・ヴォークトの他の文庫はあるんだけど、肝心のスランはない。
また次の機会だなと、あきらめかけて、ひょいと上の棚をみたら、文字の見えにくい背表紙で、全集もののうちの一冊だけあるのが目に入った。
ヴォクトって書いてあるけど、もしや、これって、と開けてみたら、スランの文字が。
一緒に収録されてるのはビーグル号で、そっちは要らんのだが、何はともあれ買いだ、買い。
いやー、運がよかった、スランって書名だけ探してたら、見つけることはできなかった。
で、原題「SLAN」は、1940年の作品だそうで、著者の最初の長編らしい。
スランってのは、新しい種類の人類を指すことばで、作中において、その名称はスランを創り出した生物学者サミュエル・ランを略したS・ランから出てるって紹介されてる。
スランの特徴は、なんたって、ふつうの人類からみたら、超能力の持ち主だってこと。
どうやら、脳がふたつあるらしく、他人の心が読める、頭には外見ですぐわかる金色の触毛がある。
心臓も二個あるらしいし、筋力もすごく強いし、150歳くらいまでの寿命があるらしい。
というわけで、人類からは嫌われている。警察権力は、スラン見かけるとすぐ撃ち殺そうとするし、一般市民にはスランつかまえれば賞金もらえるってウワサが出回っている。
そうやって迫害されてるなかで、主人公の少年スランが大人になって、殺されてしまった父が遺してくれた武器を手に入れて戦うんだが、単純に人類と戦争するって話ではない。
コメント
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