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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

マドンナ

2021-06-27 18:32:32 | マンガ

くじらいいく子 2000年 中公文庫コミック版・第一部全7巻
んー、この「『マドンナ』どうする」問題は、ずっとあったんですよ、私のなかに、それこそこんなブログ始めるずーっと前から。
そも『マドンナ』は昭和のおわりくらいのころだったか「スピリッツ」で連載してたマンガで、リアルタイムで読んでたんだが。
読みだしたのはたぶん途中からで、連載開始したあたりのことは知らなかったはずで、後追いでコミックス買い集めはじめた、持ってる第1巻が1990年の第8刷なんで、そのころだ。
そんで、第7巻「狼たちが目を覚ます」まで持ってんだけど、なぜかそこで買うの止まっちゃって、そのまま。
なぜだか理由は自分にもよくわからん、つまんなくなったんぢゃなくて物語自体は逆にそのへんから俄然面白くなってきたところだから、まあ、なにかほかに興味が移ってしまったんだろう。
(徐々に同時進行のマンガとか読まなくなってったころだから、完結したらまとめて買やぁいーじゃん、とか考えたことは想像できる。)
で、たぶん10年以上は経ってからだろうな、あー、そーいやー、これ全部揃えたいな、せっかくだし、とか思ったころには書店ではとんと見かけなくなっていて、古本屋でも見つけられなくなってた。(あまり本気で探していなかったので、ホントに無かったかはなんとも言えん。)
そういうわけで、ずっと喉の奥に引っ掛かってたようなとこあったんだが、文庫でも出てるって知って、ぽちぽち一冊また一冊と古本見つけては買って、七冊そろったのは去年の5月くらいのことだったか。
さ、そろったんで通しで読みますか、って読んでみたら、最後「第一部 完」だって、これで全部ぢゃなかったんだ、不覚。
調べてみたら、元のコミックスは全22巻だっていうし、文庫7冊で収まるはずはないか、よくみたら文庫の第1巻のカバーとかには「全16巻」って文字入ってるし。
でも、文庫第7巻のカバーには「第一部全7巻」って文字あって、どうも調べるかぎりでは、その後の第二部の文庫配本は無いっぽい。
というわけで、どーする、やっぱビッグコミックス22巻集めるのを目標にするかー、って中途半端に悩める状態で、現在に至る。
まあ文庫7巻のおわりのとこで、ひとつ区切りにはなってるんで、どうしようもなく続き読みたい状態ではないけれども。
さて、ストーリーのほうはというと、古典なんでおなじみだろうが、主人公の土門真子が女子大新卒で都立牛鍋工業高校の英語教師、ワルい生徒が多い2年D組の担任になるっつーとこから始まる。
いきがかりでラグビー部の顧問になるんだが、もともといわゆる腰掛けのつもりで教師になったんで、学生んときからの知り合いの澤田さんって男性と結婚できるんだったら、それで教師やめようとか思うものの、デートの約束あるときなんかに限り、生徒が問題起こしててそこ駆けつけるために待ち合わせすっぽかす、とかそんな展開ばっかりで、そういうのがメインテーマかとさえ思えちゃう。
そうなんだよね、最初のほうはあまりおもしろいとは思わないんだ、ひさしぶりに読み返してみても。
笑っちゃったことに、文庫第2巻の271ページにして、部外の生徒のセリフに「いったい いつんなったら マトモな練習 始めんだよ、らぐびー部ってのはよっ!」ってのがあるんだけど、そのわきに「読者だって言ってっぞ!!」って書いてある、連載第32話なんだけど、まだその時点でラグビーらしきことはたいしてやってないんだよね、15人部員集めんのにも苦労してるぐらいだし。
それが俄然おもしろくなるのは、シロウトの真子ぢゃどうにもなんないし、真子のプライベートにも配慮しようという校長のツテで新しいコーチが就任するあたりからなんである。
実に、文庫第4巻の終盤、連載第67話あたりからというスロースタートで、ようやくラグビーが話の中心になってくるわけで。
コーチに招聘された、一見やくざ屋さんにしか見えない、不破明は、“幻のナンバー8”と呼ばれた人物で、練習ったって「走れ」としか言わないんだけど、ひたすら走り続けることで牛鍋工ラグビー部は強くなってく。
極東工業高校時代に不破の元チームメイトで、元日本代表ロック、いまは焼鳥屋の大将の花八木も、フォワード陣に頼まれて指導をするが、ひたすらビール瓶ケース運びをさせるだけなんだけど、都大会が始まるころにはフォワードは力をつけていたことになる。
という感じで、少年マンガありがちの、役に立つのかよ的特訓がいつしか本番の試合で花咲かすという展開なんだが、それがなんとも気持ちよくて、好きだなあ、このマンガ。
勝ち進んでくうちに、いままで誰にも期待されてなかったと思ってた生徒たちに、親たちが応援にくるとか、そういうのがけっこういいんであって、ラグビーの技術とかの細かいことはどうでもいい。(あ、ちなみに当時のトライは4点で、読んでて懐かしかったりして。)
そんで、ラグビーの試合描写のなかではナンバー8の大林なんかが中心人物になるんだけど、そこでスポ根とかヒーローものに流れちゃうんぢゃなくて、どうして生徒たちが頑張れるかっていうと、顧問の教師・真子がいるからだ、ってとこに常に立ち戻るのが、読んでて安定感あって、ある種の爽快な感じをおぼえるのがいい。
第1巻 炎のティーチャー
第2巻 コマンド・マコ
第3巻 タックルしたい!
第4巻 嵐のワントライ
第5巻 狼たちが目を覚ます
第6巻 ペースを取り戻せ!
第7巻 走れ!うしなべ


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