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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

オンゴロの仮面・大いなる復活(マッドメン)

2011-10-24 18:12:02 | 諸星大二郎
前回の続き。
「オンゴロの仮面」 昭和56年 秋田書店 少年チャンピオンコミックス
「大いなる復活」 昭和57年 秋田書店 少年チャンピオンコミックス
マッドメン・シリーズの(1)と(2)ってことになってますが、同じタイトルの1巻・2巻ぢゃなくて、違うタイトルで出てる単行本。
なんでだろう? 一応、話はつながってるんだけどな。まあ、1巻で終わりって言われたら、それでもしゃーないと思う内容ではあるけれど。
っていうか、最初の「マッドメン」はジャンプの集英社だったのに、なんでチャンピオンの秋田書店になってるのか。
まあ、その後の諸星先生は、そーゆーこと(掲載誌変わっての連載継続)あるんで、いいんだけど、当時は少年マンガの世界ではそういうことないと思ってたんで不思議でした。
で、それはそうと、そうやってシリーズ変わっちゃったせいで、「マッドメン」は集英社版から一部手直しされてます。
だいたい、28ページあったのが、24ページになってるし。普通そういうとき加筆修正すんぢゃないかと思うんだけど、減ってるからややこしい。
この違いについては、いつの日かまとめたいと思ってんだけど、いつになることやら。
いちばん大きな違いは、集英社版は主人公コドワの守り神である「ン・バギ」が登場するのに対して、秋田版では出てこない。
なので、もうひとりの主人公である波子の父親である教授を、タブーを犯したという理由でコドワが制裁(?ちょっと用語違うか)するんだけど、集英社版ではン・バギが襲うのに、秋田版では「奇怪なことに(略)電柱にまきつかれて」という違う呪術をみせられる。
あと、秋田版では、集英社版ではいなかった、その後の話に出てくる「一樹」という波子の叔父さんが登場する。

…えーと、話がガンガン飛んぢゃってるんで、たぶんマニア以外には、分かんないことを書いてるような気がしてきました。
そもそも、ぢゃあ「マッドメン」って何の話だっていうと、説明すんの大変です、これ。
ニューギニアの伝統文化を継承する血筋で、現代のニューギニアに生まれた少年コドワが、人間と自然の関係について、西洋科学よりも自分たちの神話を重要視して説き明かしていく物語っつーことになるんだろうが、まあノメりこまないとわかんないでしょう、きっと。
神話なんですよ、神話、現代につくられた神話。だから、日本の神話で、なんでもいいんだけど、因幡の白ウサギとオオクニヌシが話をしても、ギリシャ神話で神の怒りでどうこうとか言っても、「ウッソだーい、そんなの、あるわけないじゃん」ってツッコマないのと一緒で、このマンガに文句言っちゃだめです。どんなことでも、アリです。
で、そういうなかに、呪的逃走=世界中にみられる説話の類型で、主人公が物を投げつつ逃走する、投げるのは必ずといっていいほど石と櫛と水の三つ、なんて仕掛けが入ってたりして、またホントかウソか分かんない世界に引きずり込まれちゃうのが、諸星ワールド。こういうの大好きです。
・オンゴロの仮面
「マッドメン」
「ペイ・バック」
「オンゴロの仮面」
「森からの脱出」
「森のマリア」
「カーゴの時代」
・大いなる復活
「天国の鳥」
「黒い森のナミテ」
「変身の森」
「大いなる復活」



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