many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

ぶらぶらヂンヂン古書の旅

2018-05-12 18:33:03 | 読んだ本
北尾トロ 2007年 風塵社
これは今年1月だったかな、古本屋で見かけて買ってみたんだが、最近やっと読んだ。
著者は、私にとっては裁判傍聴ものとかのライターなんだが、本書の巻末の著者略歴にも「オンライン古本屋「杉並北尾堂」店主であり」とあるように、近年ではネットで古本屋やってるのが忙しいらしい。
で、本書は全国各地に泊まりがけとかで古本屋めぐりに行った旅行記で、ただ本が好きなだけぢゃなくて、自分が売るための本の仕入れもあると堂々と言ってる。
いいなあ、3日間くらいなら仕事休んでもだいじょうぶそうだけど、いまの自分にはそういう体力というか気力がないかもと思う。
自身がネットの古本屋なのに、ネットだけで買わずにあちこち行くことについては、
>ぼくだって古本屋の端くれ、いい本を安く手に入れたい。でも、目的はそれのみにあらず。全国各地にどんな古本屋があるのか、どんな棚を作り、どんな雰囲気で商売しているのかも気になる。で、そういうことは現地に赴き、自分の目で見てこそリアルにわかることができるのだと思っている。(略)
>だけど、その店が持っている磁力といいますか、存在感みたいなものは行ってみないとわからない。空間の濃度もそうだ。ネットでいくらでも本が買える時代、わざわざ足を運ぶ意味はそこだろうとぼくは思う。(p.63)
と言っている、正論である。
それにしても、ネットの古本稼業もたいへんらしく、増えてく在庫を売るには、
>それをさばくには鬼の入力作業が必要で、買う→入力してサイトにアップ→注文が入る→発送する、まで流れるような作業を日々こなしていかねばならん。本を読むヒマなどどこにもないのである。(p.79)
ということらしい。そうだよなー、ネットの古本屋って感心するくらい速いもんなーと思う、消費者側に立ってるとあたりまえにできてほしいと考えがちだけど、実際に個人でやるとしたら、私にはできないだろうって予感がある。
どうでもいいけど、タイトルの“ぶらぶら”はわかるんだけど、“ヂンヂン”って何の様子だろうと思ったんだが、あとがきに、
>なにより、いい店を発見し、ほしい本をつかみとる瞬間の、胸がヂンヂンたぎる瞬間がたまらない。
とあって、出会いの瞬間に胸たぎるさまだとわかった、もちろん古本との。
章立ては以下のとおり。うーん、武蔵野線の日帰りツアーくらいだったら、できるかも。自分で長距離クルマころがすのは、もうやだな。
・福岡&岡山、怒涛の墓参り古本旅
・男女4人、「たもかぶ本の街」訪問記
・夜行バスと自転車でちょいと金沢へ
・武蔵野線汗かき紀行
・仙台&盛岡1泊2日1200キロの旅
・買ったばかりの本を読みまくる松本爆読ナイト
・鎌倉・茅ヶ崎、腹巻オヤジ再び
・神戸でイモヅル式“黒豹作戦”
・四国すたころ4県めぐり
・ぶらぶらの原点、北海道へ
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宝石の国

2018-05-06 19:10:07 | マンガ
市川春子 第1巻は2013年 講談社アフタヌーンKC
穂村弘が『きっとあの人は眠っているんだよ』で絶賛してたんで、気になってたもんだから読んでみることにした。
ふつうに書店のコミック売り場にあるのを見つけたんだが、おやおや困ったことには、もう8巻くらいまで出てるではないか。
うーん、いきなり全部っつーのも無謀だしなあと、しばし悩んで、一冊ぢゃわかんないだろうからと、とりあえず1巻と2巻を買ってみた。
1巻は2018年1月で既に第22刷、すごい売れてるね。2巻は同じ2018年1月だけど第13刷、やっぱ俺みたいに1巻で挫折するひと多いんだろう。
どうでもいいけど、“マンガの新刊の売上部数は前巻の2割減が相場”(出典『まんが家総進撃』唐沢なをき)、単行本の巻数が多くなってしまったらタイトル変えて仕切り直し(出典同じ)とかって、出版事情を思い出してしまった。
ま、一般的にはそうかもしれないけど、このマンガの場合は、ちゃんと1巻からそろいで新刊書店に置いてあるってことは、最初から読んでみようという需要が多い売れてる作品で、それは帯にあるようにアニメ化されたってタイミングもあるんだろう。
それはそうと、キラキラしてる表紙をめくって、カラー見開きの目次のページみたら、たぶん登場キャラだろうってのがズラッと並んでる画なんだけど、んー、こういうの俺ダメかもって、ちょっと嫌な予感がした。
で、登場人物は人間(っていうか人形?)のかっこしてんだけど、宝石なんだという、種類によって硬度まちまち。
よくわかんねえ、と思うんだが、さらに輪をかけてわかんないのが、月人(つきじん)っていう、弓矢とかもって攻めてくる存在。
独特のビジュアルで、理解できなくてもおかまいなしに繰り広げられちゃう世界観というか宇宙というか。
とりあえず読み進むしかないんだが、なんなんだ、これはと、すくなからず混乱したまま。
2巻の巻頭に、登場人物紹介ってことで一覧があるんだけど、それで少し落ち着いた。悪いけど、俺見分けつかないのよ、こういうキャラ。
2巻読んで、さらにわかんない度合いが強まったとこもあるんだが、博物誌制作っていうよくわかんない話は撤回されて、主人公もやっぱ戦うひとになるってやさしい展開になりそうなんで、迷ったあげく、もう一冊だけ読んでみようと、3巻を買いに走った。穂村弘も3巻まとめて読んだって書いてたしね。
さて、3巻まで読んだとこで、小休止。判断保留、いつ再開できるかはわかんないけど。
急いですぐに全部読まねば、って感じまではしない。
完結したって聞いたら、もしかして、まとめて読もうとするかもはしれない。
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プロレスが死んだ日。

2018-05-05 18:11:11 | 読んだ本
近藤隆夫 2017年 集英社インターナショナル
なんか最近出版ブームっぽくて、それにまんまとのせられて読んでる、あのころのプロレス系の本。
UWF関係のを二冊読んだあとに、次読んでみたのは、これ、今年になってから買ったんだったけど。
副題は「ヒクソン・グレイシーVS高田延彦 20年目の真実」。いいねえ。
1997年の、8月にヒクソンと高田がやるという話が持ち上がったけど流れて、でもやっぱ10月に「PRIDE」が起ち上げられて、対戦が実現したところから、翌年の再戦、2000年の船木戦くらいまでのことが書かれてる。
著者はプロレスが好きで、大学に入ると編集部に押しかけるかたちで「週刊ゴング」に最初アルバイトで雇われ、以降もその道を進んだひとらしい。「ゴン格」の編集長とか。
なんつってもすごいのは、ヒクソンと親しくて、高田戦のために来日して2週間以上も山籠もりしてるところへ、訪ねていくのを平気で許されちゃうとこである。身内なみってことでしょ、それ。
タイトルにあるとおり、ヒクソン・高田戦で、プロレスのそれまでの歴史っつーか、持ってた意味みたいのが終わっちゃって、総合格闘技に比べてプロレスが下火になっちゃったいきさつみたいなのがテーマのひとつではある。
>ヒクソン×高田戦は誰のための闘いだったのか?
>「プロレス体験者」のための闘いだったのである。(p.73)
みたいに言ってて、自身も「プロレス体験者」だといい、「プロレス体験者」ってのは何かっていうと、
>子どもの頃にプロレスに出会い魅せられ、叶うことならプロレスラーになりたいと思い、プロレスラーこそが最強だと信じ、また、それはリアルファイト(真剣勝負)であり、それに対してアンチテーゼを唱える者からプロレスを守りたい……そう考えたことがある者が、「プロレス体験者」である。(p.53)
と定義している。うん、あるある。
で、いまの時代は、プロレスがリアルファイトかどうかってのは議論が済んぢゃってんで、そういうひとはいない、昭和のプロレス見てたひとのなかにしかいないって。うん、そうでしょう。
で、まあ、高田が負けたことによって、当時のプロレス関係者もべつに高田が最強だと認めてたわけでもないが、プロレスが最強だみたいなものが崩壊しちゃったと。
どうでもいいけど、ウラ話として、PRIDE1の開催が決まったとき、プロレス担当記者たちは、主催者は何者なんだとかかなり激しく聞いてきたってこと書かれてるのが、興味深かったりする。
プロレスって団体以外にも、マスコミまで含めて、共同体みたいな意識があって、よそものが勝手にイベント仕切ってんぢゃねえよって、排他的な感情がはたらいちゃうらしい。
それはおいといて、どうも、とにかく著者が、プロレス体験者の先鋒が、いちばんガッカリしたのは、高田が腕極められて、タップして負けたってことらしい。
勝つとは思ってなかったし、誌上での予想でもヒクソンのTKO勝ちって書いてたけど、それはレフェリーストップかセコンドのタオルでって意味で、あっさり参ったしてしまっては、プロレス最強を信じてたひとたちは、みんな裏切られちゃった、みたいな。
まあ、しかたないけどねえ。
それに比べて、ヒクソンからは、試合や場合によっては道場破りとの対戦に際して、どういう心構えで臨んでるかってことを、直接いろいろ聞いているんで、覚悟がちがうんぢゃないの、みたいに結論づけせざるをえないようだ、そこがプロレス体験者としてはツライとこなんでしょう。
実際、ヒクソンは、試合の2か月後の取材において、
>もし自分が、そんなピンチの場面に遭遇したらば、タップを拒むだろう。右腕を折られれば左腕で闘えばいい。そう思っている。(p.182)
みたいに答えたという。
常に真剣勝負に向き合ってきたヒクソンに対して、高田のほうは「ヒクソンとやりたい」っていうのは、ホントにリアルでって意味だったのかって疑問も呈している。仕事で、ってつもりはなかったのかと。
ついでに、その後のPRIDE5でのマーク・コールマン戦の高田の勝ちって、リアルぢゃないのでは、ってことも堂々と言ってる。黒歴史は消せないよ、とまでも。
章立ては以下のとおり。
第1章 嵐の船出
第2章 「プロレス体験者」
第3章 1988 リオ・デ・ジャネイロ
第4章 グレイシー VS UWFインター
第5章 山籠り
第6章 「冷たい雨」
第7章 再戦
第8章 フェイク
第9章 息子の死を乗り越えて

んー、私自身は、プロレスラーは好きだけど、プロレスは好きぢゃない、くらいの態度を表明して長いんだけど。
それでもなんでも、最近またプロレスの人気があるらしいのは、いいんぢゃないかと思ってる。
全然、レスラーの名前とか技とか詳しくないし、時の流れについていけないけど。
ただひとつ、中邑真輔がWWEで活躍してるってのは、えらいことだと思う。
これはけっこう話題になってるみたいなんで、試合の映像とか見てないけど、かなりいいとこまでいってるという認識でいる。
誰が正確に何と言ったかはしらないけど、その活躍をさして「あれ、真剣にやってるのか」といった意見のひともいるらしいが。
それはそっちのほうが愚であって、もし中邑真輔がWWEのベルトを獲ったら快挙なのにまちがいはない。
それに対して「真剣勝負で勝ったのかよ」みたいなこと言うひとは、たとえば映画とか音楽の世界的な賞をとった日本人に「それ、ガチでとったんですか」みたいなこと言うようなもんだと、私は思うんだけどねえ。
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県庁のなか(と上)

2018-05-04 17:38:34 | 横浜散策
県庁のなかを公開しているというので、ヒマだし行ってみた。

GWに神奈川県庁本庁舎の一般公開 県産特産品の販売やマスコットキャラクター大集合も
(マスコットキャラクターはどうでもいいんだけどね。)
現役の建物なんだけど、各階にイベントっぽい展示もしてて、休日出勤なんだろう、県の職員さんもいちいち御案内にはたらいていた、たいへんだねえ。

どうでもいいけど天井が低いよ。なかは六階まであるんだけど、階段が特に狭い。

エレベーターもあるんだが、狭そうだし、私はつかわないで上りも下りも階段にした。
見世物のメインは3階に集めてあるっぽい。
まずは、知事室。現役の執務室なんだけどね、公開モード。

それから、正式名は第3応接室らしいんだけど、貴賓室ってラベルにしてる部屋。

あと、大会議室は旧議場ってことで、立派なつくりなんだけど、きょうのところは何故かコーラスやってた。


意外なことに、屋上にも出られた。

間近にみるキングの塔は、遠くから眺めてるときより、なんか親しげな感じがした。


ちなみに塔内部へと昇る階段は立入禁止になってた。
大桟橋には、名前知らないけど(屋上に出るとこに掲示はしてあったが忘れた)、いつものように船がきていた。
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FEEL SO BAD

2018-05-02 20:20:58 | 忌野清志郎
RCサクセション 1984年 東芝EMI
さあ、キヨシローを聴くか。
なんでもいいんだけどね。ここに並べたことのないものから、今日はこれを出してきてみた。
私が現在持ってるのは、2005年の「35周年」記念のデジタルリマスター盤だが、これオリジナル出たころは、もしかすっと一番熱心にRCを聴いてたころかもしれない。
(LPでは、たしか、ジャケットの一部は動かせるようになってたと思う、しょーもない。)
なんかゴタゴタして、事務所から独立したときにつくられたアルバムだったと記憶してる、
だって俺は自由、自由、自由
短いこの人生でいちばん大事なもの それは俺の自由、自由、自由
なんてのは、そんな勢いで叫んぢゃってる歌で、これはこれで嬉しそうでいいんだが。
ほかには、「おいらの世界を邪魔する奴はうるせえ!」とか「それじゃこれで貸し借りなしで失礼するぜ」とか、おいおい、そこまで後脚で砂かけなくてもいいぢゃない、って当時ちょっとだけヘキエキした歌が多い。
チャボまで、「利益の行方ときたら 下っぱの俺たちにゃ うわっつら拝まされ闇に消される」だなんて、グチのようなこと歌ってるしねえ。
それに比べて、いまになって冷静に聴いても思うんだけど、B面(死語…ちなみにこのアルバムでは「GOOD SIDE」と称してる)は、かわいらしい歌が収められてて、いい。
私のお気に入りは、シングルカットした「不思議」ぢゃなくて、「可愛いリズム」。
のせてぼくをGOTTA―GOTTA踊らせる のとこもキヨシローらしいけど、
いけない遊びとひとは言うけど 遊びじゃないのさ恋人はきみだけ みたいなのがキュートでいいですねえ。
でも、よく聞いてみると、これにも「経営者はいつも俺をイタぶる」なんて、事務所との対立の影がさしてるんだが、そこをポップに消化しちゃうとこがまた魅力だったりする。
BAD SIDE
1.自由
2.腰をふれ
3.うるせえ!
4.失礼スルゼ(訣別の詩)
5.胸ヤケ
6.セルフポートレート
GOOD SIDE
7.NEW YORK SNOW・きみを抱きたい
8.私立探偵
9.不思議
10.夢を見た
11.可愛いリズム
12.動かせHEY―HEY―HEY
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