kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

国体終了~この数日間から得たものは~

2011-10-13 | 陸上競技
月曜日に国体が終了しました。かなりの長い間この国体に向けてやってきました。今までに感じたことのない感覚の中でやってきました。特に自分の学校から選手が出場するというのは考えられないプレッシャーがあります。

本来なら脚を痛めていた段階で休ませながら秋のシーズンに向けてやっていく事が出来ます。全く走れないなら最初の段階で辞退しましたが、ある程度回復の見込みがあったので出来ることを全てやろうという方向になりました。インターハイが終わってからすぐに1年後に向けてやっていければ良かったのですが無理をしてでも作っていかないといけなくなりました。地元国体に選ばれるというのは非常に名誉なことです。しかし、それに伴うプレッシャーもあります。

怪我をしないで練習が完璧に積めていたら全く違う気持ちで国体を迎えることが出来たと思います。ラウンドを進める可能性もかなり高かったはずです。しかし、練習は出来ませんでした。結果的に力を出し切れずに予選落ち。かなり悔しかったと思います。私はスタートラインに立てた事である程度の所まで来たと感じました。この1ヶ月、様々なストレスの中でやってきました。部活内をめちゃくちゃにされましたから、その渦中にいた選手達は試合所ではなかったはずです。私はこの子も辞めてしまうのではないかという危機感を持っていました。それくらいの状態やっていました。大げさに言っているのではなく本当にそのレベルだったと思っています。


全く力を出せなかった屈辱感、今までは経験できなかったリレーメンバーに入れないという悔しさ。これを感じてくれたことは大きなことではないかと思っています。普段では絶対に経験できない大きな経験だと思います。リレーメンバーがリレーのためのアップをしている時にずっと走らせていました。アップ時に誰かが怪我をして走れなくなったら走らないといけません。ほとんどないことですがリレーの補欠として選ばれたのですから準備をしておかないといけません。走りたくても走れないという経験がこの子を大きく成長させるのではないかと思います。地元国体という大きな舞台で悔しい想いをしたことが本人にとってどれだけの意味を持つかです。

悔しさを晴らすためには自分で力を発揮して全てを越えていかないといけない。他の事に目を向けず「強くなること」だけを見ていかないといけません。今のままで終わるわけには行きません。この機会を生かし、今までの甘さを完全に捨て去ることができれば見違えるように強くなると思います。それだけの潜在能力を持っています。シーズン前半は「サクセスストーリー」でした。無名の選手がインターハイに進んだのですから、かなり評価できます。しかし、後半は苦しみの連続でした。これをどう生かしていくのかで今後が決まります。

必ずはい上がってくれると信じています。大会期間中に目付きが変わりました。信じてみたいと思います。温かく見守ってください。きっとやってくれると思います。地元国体での挫折感を力に変えていく事が出来れば今回の失敗は意味があると思います。周りからは冷ややかな目で見られるかもしれませんが気にしません。来年の今時期に「選んで良かった」と思われる選手になってもらいたいですね。

応援してやってください。よろしくお願いします。
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山口国体~110mH~

2011-10-13 | 陸上競技
国体では110mHも担当していました。これも成年選手です。この選手とは昨年からの付き合いになります。本当に純粋に競技に向き合っている選手で、強くなるためには努力を惜しまないという感じがかなりあります。初めて話をした千葉国体(これもすごい話ですが…)、試合前日の練習で身体の確認をするために2時間くらい少しずつ動いていました。いつ終わるともなく感覚を確認しているのには驚きました。

それ以後練習会で一緒になって色々と見ていきましたがとにかくマイペース(笑)。目を離すと居なくなって、気がつくとどこかで身体を動かしています。社会人選手としてはアップが長すぎるというのは今後課題があると思いますが、ひたすら身体に目を向けるというのは大切だと思います。高校生は見習う必要があります。身体のケアや確認に対して適当な部分がありますから…。

ここ最近の練習の感じからするとスプリントの調子が上がっている気がしていました。少し上に抜けるような走りですが細かいことは言いませんでした。そこを求められてはいませんからね。適度なアドバイスと動きの確認だけで十分だと思っていました。

国体当日のアップでは1台目が浮いていました。本人に確認すると次はそこを修正してきました。3台目までの走りで踏切が近くなりすぎていて抜き足をハードルにぶつけていました…。最後の1本はある程度納得出来る走りだったので安心して送り出しました。この種目、山口県代表の選手は100%決勝に行けるという確証はありませんでした。力は均衡していて少しのミスが命取りのような感じです。めちゃくちゃ緊張して見ていました。
予選かなり良い飛び出しを見せました。今まではここで浮いてしまって流れが作れませんでした。「これはいけるかも」と思った瞬間、3台目をぶつけてしまい減速。1歩半遅れてしまいました。しかし、そこからの追い上げがすごかった。10台目で半歩遅れまで追い付き最後のスプリントでほぼ並んだ状態まで持っていきました。執念ですね。大型映像では2着で入ったように見えたので「よし」と大きな声が出ました。リプレイで見ても2着。しかし、判定では0.01秒差で3着でした…。100分の1秒差でも2着と3着では天と地ほど違います。400mの時と同様、心臓がかなり激しく動いていました。タイムがかなり良かったので何とかなると信じていましたが、昨年の千葉国体もこのパターンで9番目となり決勝進出を逃しています。神に祈りながら他の組が終わるのを待ちました…。本当に長く感じましたね。何とかプラスで拾われて決勝へ。救われました。

本人は3台目をぶつけたのを覚えていません。めちゃくちゃプレッシャーがあったのだと思います。攻めていってのレースなので仕方ないのかもしれないですね。しかし、後半の走りは間違いなくトップを追い込む素晴らしい走りでした。「前半の3台で流れに乗れれば勝てる」と話して、決勝前の練習ではそこだけに課題を置きました。全ては出来ないので流れを意識。「これならいける」と複数のコーチで言いながら送り出しました。

決勝、狙い通りのレースが出来ました。スムーズな加速で5台目でトップに立ちました。「勝てる」そう思いました。この選手の直向きな姿を見てきました。勝たせてあげたいと強く思っていました。行けると思ったのですが6台目でぶつけてバランスを崩し失速。諦めずに最後まで追いましたが届かず7位でフィニッシュとなりました。本当に残念ですが良く走ってくれたと思います。

本人とも話をしましたが、決勝の前半と予選の後半を組み合わせた完璧なレースが見てみたいと強く思いました。かなりの記録が出るのではないかと。本人は「すみません」と謝っていましたが今後の可能性を感じさせてくれる本当に良いレースだったと思っています。「来年は日本一になって必ず恩返しをします」と言ってくれました。特別な事は何もやっていませんが、救われました(涙)。

成年選手との関わりの中で多くの事を感じることができました。私が何かをしたとは思いません。サポートをしただけです。それでも感謝してもらえるというのは嬉しいことです。プレッシャーから解放されかなり良い表情をしていました。来年以降、夢を実現してもらいたいと強く思いました。

短い間でしたが貴重な経験が出来たと思います。感謝します。今後の指導に生かしていくことで選手たちに返していきたいと思います。
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