kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

ヒント2

2016-01-29 | 陸上競技
続き。

先ほどの話からです。雨の時にどのような練習をすればよいかという質問に対する答え。「ぶら下がった状態で体を動かすトレーニング」をやるようにとのこと。普通の学校でそんな練習はできません(笑)。「雨の日にやる」と言っているのにこういう「ハードルの高い練習」を求められるとどうすればいいのか悩みます。階段のところに丁度いい取っ手があったのでそこにぶら下がって引き付けをやらせました。動画を撮って「どうですか?」と質問すると「そういう動きはポールにはない」との返答(笑)。

実際に前任校ではロープ登りなどもさせていました。こういう環境があればやはりいい練習なのだと思います。ぶら下がった状況で身体を動かすという練習。鉄棒があればやりやすい。これも前からやっていますがまだまだ十分とは言えません。実際にポールでは「下半身が浮いた状態」で身体をコントロールする必要があります。だから高い身体能力が求められる。地面から足が離れた状態で身体を思い通りに動かすというのは簡単なことではありません。それができるというのは素晴らしい能力だと思っています。それを養っていかなければいけない。「使い方」を学ぶという部分かもしれません。

ハードルを使っての練習も教えてもらいました。うちには「高さが変わるハードルがない」という致命的な話がありましたが(笑)。さびて動かなくなっているようなので近いうちに高さを変えられるようにします。空中に浮いている状態で何をするか。地面に足がついているときには「摩擦」があるので自分の動きができます。離れているとそれができなくなるから非常に難しい。当然の話です。

が、これにヒントがあるのではないかと思いました。走るというの「接地している局面」と「空中に浮いている局面」があります。空中に浮いているというのは一瞬ですが不安定になる。その不安定の中で何をするのか。「固める」ことに引き続いてここに「面白い」と思うヒントがありました。

早速スプリント系の動きにも取り入れてみることに。浮いた状態が作れない。じゃーバランスディスクでいいかなと勝手に判断。不安定な中で身体を動かす。そして更には「固める」という部分も含める。体幹を固めた状態で手足を動かすという練習をやってみました。「固める」と「動かす」というのは一見矛盾していますがそれができるようになると面白いのではないかと。いくつか考えていきたいと思います。この動きをやってから走るとまた面白いのではないかと感じています。近いうちにチャレンジしてみようと考えています。

マット運動などもやるとよいと言われました。今の環境ではマットがないので何とか対策を考えないといけません。しかし、倒立歩行などはできると思っています。これも地面から足が離れた状態で体をコントロールする練習となります。確かに11秒2で走っていたポール選手、時間があるときには倒立歩行をしていました。これもボディーコントロールという意味では非常に大切なことなのかもしれません。スプリント系でも生かせると思いますね。

「ぶら下がった状態で身体を動かす」という概念はスプリントの中にはあまりない。が、「特殊な競技」の中ではそれを使うことがある。まったく別の競技ではありませんからそこから「学ぶ」ことがあると思っています。実際にそれをヒントに練習を考えてみると「効果がある」と思える練習も出てきます。自分の中にある「概念」だけではなく他の種目からも学ぶことがある。そういえば今の女子幅跳びで国内トップの選手は「やり投げ」を専門としていた指導者から指導を受けているとTVでやっていました。かなり特殊な練習をやっているとのこと。実際にアップでやりを投げているとのことでした。断片的な情報ですから鵜呑みにはできませんが「こうでないとけない」という部分は少ないのだと思います。

練習の中に「ポール走」を取り入れようとずっと前から思っていました。体幹を固定した状態で泣なければこの動きはできません。上半身や体幹部が弱くてぶれるとまっすぐ進めないからです。そういう部分は「導入」できるのではないかと思っています。この冬には難しいかもしれませんがどこかの段階で定期的に入れるようにしていくと面白いと思っています。もちろん単純に面白いからやるのではなく「意図する部分がある」からやるのですが。

専門家と話をすると分野は違っても面白い。表面的な話ではなく「深い部分での話」ができます。だからこそそこから学ぶことは多い。「特殊な種目」には「特殊な人が多い」と常々思っています。振り切れるくらいやらないとここまでいかないと思います。普通の考え方ではこうはならない。確かに全国で活躍される指導者はある意味「変わっている」と思います。そういう側面を持っているから「良い評判」もあれば「悪い評判」もある。「良い人」ではできない部分もあると思います。振り切れていたら「普通の人」や「当たり障りのない人」から見れば「あいつ、やってること滅茶苦茶だな」となるのでしょう。

そう考えると私はまだまだ「常識のレベルでの指導」しかできていないのかもしれません(笑)。振り切れるくらいの指導ができないといけないのかなと。何にせよ、すごい刺激をもらえたのは間違いありません。楽しいですね。こういうことが楽しいと思えるのは「変わっている」のかもしれませんが・・・。
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ヒント

2016-01-29 | 陸上競技
本当に書きたかったことを。

「特殊な種目」の指導者に色々と質問していました。その種目に必要な情報を得ようと思ってです。ポールを始めたのですが専門的な知識がありません。勝手に何かやると「変な癖がつく」と思っているので確認をしながらやっています。この天気の状況では屋外で練習ができません。ポールを室内に持って入って練習なんてことは絶対に無理。そうなるとこれまで教えてもらったことがほとんどできないのです。知識が乏しい私が何をするのか?ということになり専門家に聞こうという安易な考え方に至りました。迷惑千万ですね(笑)。

で、質問をすると詳しく教えてもらいました。「特殊な種目」ということもありやっていること、求められることがスプリントとは異なります。高い身体能力を必要とする種目だと思っています。前の記事にも書きましたが「人数が少ないから中国大会に出やすい」という感じで始めるのは「失礼極まりない」と深く反省しました(笑)。もちろん、本気で競技をやらせるために種目選択をしています。実際に動画を撮ってもらっていますが練習2回目にしてそれなりに「浮く」ことができているのです。見ていて「適性がある」と判断した私の「目利き」はきっと間違っていなかった。

で、話を戻します。専門的な練習の中で「体幹を締める」という言葉が使ってありました。前も聞いたことがあったのですが。こういう感覚はなかなか得られないと思っています。実は以前から「固める」という表現を使っていました。体幹を鍛えるという意味をもう一度考えたのですが「ひたすら腹筋をする」というのが「体幹補強」ではないのです。実際走る中で体幹を使わないといけない。動きながら身体がブレてしまうと効率が悪くなるのです。腹筋背筋もやります。しかし、実際は「動く中で意識する」ということが必要なのではないかと考えていました。マニアックすぎて面白くないですかね?!(笑)

シャフト補強やダイナマックスを使った補強の中で「固める」部分を作りたいと思っていました。動いているのですが瞬間瞬間に「止まる」場所を作る。それが「軸づくり」につながっていくのだと思っています。これも考え方がかなり「偏っている」ので分かりにくいと思います。補強をすれば強くなるというのではなく、「何のために体を鍛えているのか」という感じです。ここの部分が明確にならなければいい練習にならないと思っています。

分かりにくいのでもう少し書かせてください。例えばシャフト補強をする。これもやったことがない&見たことがない人にはわかりにくいかもしれません。前に進みながら連続でスクワットをする感じですね。体操の着地の場面を思い浮かべてもらったら分かりやすいのではないかと思います。これも以前かなり書いていました。体操競技の鉄棒や床ではかなりの運動量があります。速いスピードで動き続けて最後のフィニッシュでは「静止」しなければいけません。そのため着地の瞬間に「緩衝」のために膝が曲がります。深くしゃがみ込む感じになると思います。その膝を使って「衝撃を逃がす」ことでその場に止まることができるのです。

走る種目はどうだろうか。その場に止まるのではなく「動き続ける」ことが必要になります。接地した瞬間に膝が曲がってしまったら力が逃げてしまうのです。当たり前の話ですね。ということはトレーニングをする時にも「力を逃がさない」工夫が必要になるのではないかと思っています。「衝撃に耐える」感覚を作りたい。走っていると足には体重の何倍もの負荷がかかります。プライオメトリックと言われる「腱反射」を使ったトレーニングでは「接地時間を短くする」ということが求められます。それは「関節が緩まない」ということを意味するのです。しかし、実際は接地の衝撃に耐えられえずに曲がってしまうことがほとんどです。これでは上手くいくはずがありません。前段階で「耐える」練習を導入しておく必要があると思っています。

「締める」という言葉を聞いたときに「あー」という気になりました。まさに(笑)。この感覚だと思っています。「締める」という言葉が使ってありましたがこれは「固める」という意味があるのだと思っています。「力を逃がさない」という意味での「締める」ですね。多分。シャフト補強やプレート補強でやっている部分。見た目の動きと意識している部分が大きく違うと思っています。この感覚を共有できる人がいたんだと思って嬉しくなりました。ひょっとしたらポールの世界ではこれは「常識」なのかもしれませんが。かなりの刺激になりました。

それもあって木曜日の練習の時にもう一度こちらの意図を説明しました。「固める」という意味を理解させたい。さらには配布しているDVDを全員で確認。春先に配っているのですがもう見ていないでしょうね(笑)。2年前に東京の高校に練習を見学させてもらいに行った時の映像です。私自身も久しぶりに見ました(笑)。こうやって見てみると自分たちがやっていることの確認にもなりますし、「いつの間にか方向性が変わっていた」ことにも気づきます。体幹をうまく使って練習をする。そこの部分を確認させました。

求めていることを「見せる」ことでずいぶん違います。チームが出来てくると上級生の動きを見ればどのようなことをやればよいのか分かってきます。今はそれがありませんから「他校の動きを見せる」ことで変わっていくと思っています。その後の練習はかなり良くなりましたね。こういうのが大切。

また長くなりましたね。もう一つ書きたいことがあるのでまた別に。
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専門店

2016-01-29 | 陸上競技
なかなか面白いなと思ったことを少し書いておきます。

blogにも書いていますがここ最近「特殊な種目」について話を聞いたり、教えててらう事が多い。こういう種目をやっている人は「特殊な人が多い」という偏見がありましたが、話を聞いた人はやはり「特殊」でした(笑)。お前が言うなと本人達に突っ込まれる可能性がありますが。人物的に特殊という悪い意味ではありません。誤解なきよう。種目特性がスプリントとは全く違うので競技に対する「視点」が大きく異なります。

国体で和歌山に行きました。競技場から宿舎まで歩いて帰る時に「「ワイン専門店」がありました。先輩がマンガを読んでワインにハマっているということなので立ち寄ることにしました。店の中にはワインしかありません。多すぎて全くわからない。先輩がおもむろに手帳からメモを出してきてワインの銘柄を質問し始めました。マンガを見て美味しいと書かれていた銘柄があったら買おうと思って準備していたそうです(笑)。

で、店員さんに銘柄を伝えると即座に返答がある。「~産の何年ものですね」みたいな。その年のブドウの出来が良くて何とかかんとか。それが10位の銘柄全てに対して詳しく適切な話がありました。まー私みたいに無知に近い人間からすればそれが正しい情報なのかさえ分かりません(笑)。先輩が「本に書いてあったことと同じ話をしてる!!」と大絶賛。何百種類?もあるワインに対してそれぞれの知識が詳しくある。すごいなと感じました。感動しましたが私はワインは買いませんでした(笑)。

話が逸れていると感じられるかもしれません。いや、全く同じです。専門とする分野が違うだけで「一芸に秀でる」というのはそこに特化して勉強をしているのです。その種目で勝負するために徹底的に専門性を高める。他の部分を排除してでもそこに対する知識を高める。だからその分野に関して質問をした時に適切な答えが返ってくる。ここで大切なのは「この人ちょっとやりすぎなんじゃない?」と思うくらい「振り切れた専門性」があるかどうか。「少しかじった」程度ではダメだと思います。これは私が勝手に思っているだけなので。

師匠は自分のことを「デパート」だと言われます。ある程度の商品を幅広く揃えているという意味で言われます。かなり謙遜されています。実際は「広く深く」です。私からすれば「専門店街」という感じですが。様々な分野に詳しい。これもある意味「特殊」だと思います。私には到底そこにはたどり着けません。前にも何度か書いていますが「餅は餅屋」です。専門的な知識をきちんと持っている人に質問することで「解決策」を発見することができます。その分野に明るい人に頼ることで見出すができます。師匠からは「教えないけど」と言われることもあります。これは自分自身で見つけていかないといけない部分があるからだと思っています。何でもかんでも頼るなという意味なのかなと「前向き」に解釈しています(笑)。

もちろん、誰にでも質問するわけではありません。「コンビニ」のような感じでは今私が求めていること、やろうとしていることは「絶対に答えを得られない」と思っています。こういう書き方をすると感じが悪いと思いますがある程度の「知識」と「技能」は身についていると思っています。最初の段階であれば「広く浅く」という感じも必要だと思っています。しかし、ここまでくると「より専門性を高める」ことしかできません。自分の道を突き進むためには「コンビニ」のような感じの指導はできなくなるのです。ちょっとしたこと(初歩的なこと)はすぐに対応できるかもしれませんが、品ぞろえが少ない(指導手段が少ない)というのでは「今」求めていることとは違うのではないかと思っています。

「専門店」に行けばそこにおいてある商品の詳しい情報を得ることができます。取り扱っている商品の「良さ」や「ウリ」を知っているからです。例えばその裏側になる「ストーリー」なども聞けるかもしれません。この商品を作ったのは○○さんで、この人は~という苦労をして・・・というような「ストーリー」がある。それを知ることでその商品に対する「親近感」や「興味」が湧いてきて欲しくなる。商品を売るだけではなく「付加価値」を販売するのです。「コンビニ」では店員が持っていった商品の清算をするだけ。取り扱っている商品に対する知識が浅くても問題ないのです。「売れれば同じ」という感覚かもしれません。

もちろん「コンビニ」に買い物に行くのに「商品について」詳しく聞こうとするお客さんはいないと思います。とりあえず必要だから買いに行ったという感じ。別にそこの「コンビニ」に行けなかったら別の近くにある「コンビニ」に行けばよい。「代わり」になるものがたくさんあるのです。「コンビニ」に行くお客さんは「コンビニ」に求める者は限られているのです。

怖いのは「専門店」に行くつもりで「コンビニ」に行くこと。自分が欲しいものが置いていないというのでは時間が有効に使えません。もっといえばそこが「コンビニ」だと気づかず置いてある商品を手に取って「こんないい商品があるんだ」と思っていしまうこと。それしか見たことがないからそこにある商品が「最高級品」に思える。それはそれで「陥りやすい」部分だと思います。

話を戻します。「特殊な種目」に指導者と関わる。この方たちは間違いなく「専門店」です。つまり「専門家」ということ。もちろん表面的な「専門家」では意味がありません。関わる中でその人の「専門性」を把握しないといけません。「人を見て動く」というのはかなり感じが悪いのかもしれません。しかし、表面的な「専門家」では なく「本当の意味での専門家」に学ばなければ意味がないのです。特に「最初の段階」が重要。「広く浅く」から学ぶと「実は間違っている」こともある。そうなると変な癖がついてしまって修正ができなくなる。だからこそこちらも「見極める」必要があります。

実は私は「なんでも鑑定団」が好きです。コレクターが集めている「モノ」の価値を専門家に判断してもらう。何百万も出して購入した骨董品が実は「1000円」だった時の落胆・・・。計り知れないものがあります。自分が「最高級品だ」と信じていたものが実は「模造品」でほぼ価値がないとなったら辛すぎる。そういう部分も含めて自分自身も「目利き」ができるようにならないといけないと思いますし、自分が持っている「モノ」が「すごいんだ」と思い込まないようにしないといけない。「良いものを見る」ということで目が養われていくのだと思います。

ん?書きたかったことがズレてきていますね。本当は「ヒント」というタイトルで書いていたのですが(笑)。特殊な種目の指導者とやり取りをする中で「ヒント」をもらったのでその部分について書きたかったのですが。

また書きます。
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