kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

正しい情報を手に入れる

2017-11-20 | 陸上競技
これも最近よく話す内容なので書いておきます。練習に関しても進路選択に関してもこういう部分は重要なことだと思っています。私の私見ですから正しいかどうかわかりません。が、そこに目を向けていくことは重要だと思っています。

1週間くらい前に書きました。「強い選手がいる=良い練習をしている」は成立しないと思っています。中学時代に全国大会を経験している選手が県で入賞して中国大会に行く。これはある意味「当然」と言われるかもしれません。最近思うのですが「高校で記録を伸ばしているかどうか」はあまり注目されていないのではないか。誰がどこに行ったかはあれこれうわさが流れるかもしれません。しかし、その後どうなったのか。ここに関してはなかなか言われません。言われているのかもしれませんが。

まー私自身も気を付けないといけない部分だと思います。中学時代に実績を上げている選手を預かる。それは好奇の目に晒されることになります。「伸びていないじゃないか」と言われることは多々ある。現実問題の部分をきちんと見てではなく「イメージ」での話になる。

言い訳になるかもしれませんが。うちのNは中学時代に12秒46で走っています。これはかなり速い。が、実力的には12秒6台が出れば十分だったと思います。失礼かもしれませんが話をするときには「適正記録は12秒6台だと思います」と直接伝えていました。中学時代は何本もレースをしている中で「記録が出てしまう」ことがあります。それが実力かどうかではない。結局、その記録が自分の実力だと勘違いしてしまって苦しむことになります。適正記録は12秒6。繰り返していました。

高校1年生では公認記録で12秒62がシーズンベスト。本人的には納得できなかったと思います。追い風参考で12秒40で走っていますがやはり「12秒46」を更新したいという気持ちがあったと思います。が、確実にアベレージは上がりました。12秒6台はいつでも出せるという感覚。上手く条件が合えば12秒4は出るなと思っていました。合いませんでしたが。2年生になり12秒4がアベレージになりました。追い風参考で12秒22、公認で12秒37です。今シーズンは12秒42を何度も出しています。またか、という感じで。きちんと条件が合えば12秒2が出るかなという感覚でいました。合いませんでしたが。

これに関してもずっと言い続けていました。もしも、本人が「中学校時代の12秒46が実力」だと思い込んでいたらその記録に押し潰されていたのではないかと思います。走り自体が個性的です。それに合わせて練習を積んでいくのですから一気に記録が上がるというのは考えにくい。自分の「適正記録」を把握してそこを最低目標に練習をしていく必要があります。本人が「正しい情報」をきちんと得てそれを理解して取り組めなければいけないと思います。アベレージをきちんと上げていく。

この話は勧誘の時にもします。中学時代は「一発かかった記録」が評価されます。その記録さえあれば全国大会に進めるからです。しかし、高校は違います。1本だけ強い選手は大成しません。県総体でも地区大会でも「予選・準決勝・決勝」と複数のレースで安定した記録が求められるからです。予選で自己ベストを大幅に更新しても決勝できちんと走れなかったら戦えないのです。アベレージを上げていくことで戦っていける。そう思っています。

高校に入ったら自然に記録が伸びる。そう思われるかもしれませんが実際は違います。中学時代のベスト記録を更新できない選手も多々います。中学時代の記録を更新し続けられたら誰もが日本一になります。現在、女子100mの中学記録&高校記録を持っている土井選手、本当に速かった。高校時代で日本代表になってオリンピックにも出場。すごいことだと思います。しかし、右肩上がりには進みません。大学時代、かなり苦しんだことだと思います。我々にはわからない苦しさがある。順風満帆ではない。レベルは違うかもしれませんが中学時代に実績を上げているから高校でもうまくいくとは限らないのです。

そういう部分を選手も保護者も理解していかなければいけないと思います。実際問題、高校で大幅に記録を伸ばすというのは簡単ではない。「正しい情報」として「右肩上がりで記録は伸びない」という部分を理解しなければいけない。「適正記録」がどのレベルなのかを知る必要がある。そこがわかってからがスタートラインだと思います。「高校で競技をやりたい」と思うのであればそういう部分もきちんと理解しないといけない気はします。

「大学に進学する」「高校で競技をする」と望む中学生は多いと思います。高校に進学すれば自然にそれができるのか。この部分も理解していく必要があると思います。「大学に行く」だけであればこのご時世ですからどこの高校からでも進めると思います。「競技を続ける」という部分も同様。自分一人でも競技はできる。しかし、かなりの遠回りをすることになる。「自主性に任せる」というのは素敵な言葉です。が、限られた時間をどのように使うのかという観点では「もったいない」と思っています。

指導する者。「強い選手がいる=良い練習をしている」と判断している部分はないか。もちろん、毎年強い選手が出てくる学校にはノウハウがあると思います。そこから学ぶことは多い。が、その意味は何か。なぜやるのか。ここは大切な話だと思います。ある練習を見ました。身長差が20センチくらいある女子が同じ距離でマーク走をしている。更には同じ幅で男子も走っている。そこにどのような意味があるのか。ある選手にとっては「適正な距離」かもしれませんがある選手にとっては「狭すぎる」でしょうし、ある選手にとっては「広すぎる」のです。それで「良い練習」と判断するか。

中学生や保護者であればなかなか分かりにくいと思います。しかし、指導する側とすれば「なぜその練習をするのか」という意味を理解しなければいけないと思います。「正しい情報」を自分自身で判断しなければいけない。「〇〇高校でやっているから」ではない。「普通高校に進めば進学できる」というのも「正しい情報」ではない。実際にその学校での進学実績がどのような状況なのかの「正しい情報」を手に入れる必要があります。

この部分はなかなか理解されないと思いますね。上手くまとまらないのですが。何をもって「正しい情報」とするか。イメージの問題だけではない。先入観だけではなく「現実」を見ていく必要があります。

うーん、何を書いているのかよく分からなくなりました(笑)。
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少しだけまとめる

2017-11-20 | 陸上競技
土曜日、時間がありました。本当は一日中講習会に参加するつもりだったのですが「色々」あって午前中のみとしました。これにより自分自身かなり考える機会になりました。感謝したいですね。普段の生活の中ではこういう部分は考えない。トレーニングに関して自分の中で「当たり前」と思っていることでも一般的に考えると「当たり前ではない」のだと思います。こういう部分に気づけるというのはやはりありがたいなと思います。情報の取捨選択という意味でもこれからもしっかりと考えていきたいと思います。

上述のように午前中で予定が空いたので何となくぼんやり考える時間にしました。練習についてです。他に趣味といえるものもありません。どのように練習を組み立てるか。どうすれば効率よく練習ができるか。「自然の流れ」の中で動きを身に付けることができるか。こういう部分を考えていくのは楽しいですね。

この日は「スプリント練習」について考えていきました。過去のデータをまとめながら。非常に残念なのですが必要なデジタルデータの一部が消えていました。トレーニング系などを「文字」として残していたのですがいつの間にかデータが消えている。これは辛い。前任校から積み上げてきた大事なデータでした。どのような意図でどのような練習をしていたのか記憶だけでは残らない部分をデータとして残していたのですが。仕方ないですね。

今やっていることを少しだけまとめました。走りに必要な「基本的な動き」から「加速段階」「中間疾走」という感じでそれぞれの局面で必要な部分を考えていきました。考えていくというよりも頭の中にあるモノを「文書化」しておくというだけなのですが。実際にやっている練習の「意味」を明確にしておく。前から書いていますが「とりあえずやる」というのは練習の中に取り入れないようにしています。それには「意味」があるから実施する。その日の「狙い」があるから練習をするのです。

昨年までは「漠然とやりたい」と思っていたことを実施していました。前任校の冬期練習は曜日によって実施する内容を固定していました。そのほうが選手も把握しやすい。同じような動きを繰り返す方が本人たちも簡単ですから。昨年は思い付きではないですが、見ていて感じたことを練習でやる。一貫性という部分では不足していたかもしれません。「ミクロ的視点」で物事をとらえていた部分。もう少し「マクロ的視点」で見ていくことも必要なのではないか。ということでもう一度客観的に見るために「文字にする」という感覚でしょうか。

こういう時間が最高に楽しい。何故のその練習をするのか。その練習を行うことによってどのような部分に変化が生まれるのか。意識せずに動きを身に付けるためにはどうするのか。この感覚はなかなか理解してもらえないと思います。土曜日の講習会の中で強く感じました。ひょっとしたら私みたいな人間は少ないのではないか?こういう部分に関して興味関心が強くあり、そのことに関してひたすら考える。組み合わせる。そういう行為が好きな人間というのは実は少ない気がします。

漠然と練習をする。他校がやっているからやる。講習会で「この練習がいいですよ」と言われたらそれを導入する。私的には全く面白くない(笑)。ハムストリングの話、sri先生が喜んで反応してくれました(笑)。マニア度が高すぎる。なぜそのような練習をするのかという「理解」や「意味づけ」ですね。大阪に行った時にmtm先生が「利き足ではない足でのドリブル」をしていました。「普段使わない足を意図的に使うことでアンバランスをなくす」という意味です。利き足は特別意識しなくても使います。逆足は意図的に練習に組み込まないと使わない。だからこそ時間を作って「アンバランスをなくす」練習をする。

もちろん、「とりあえずやってみるか」という練習も必要だと思います。そういう姿勢がなければ「柔軟な発想」ができなくなるからです。面白くなくなる。私に不足するのはこういう部分なのかもしれません。まーそれでも思い付きでやる練習も多いのですが。「理論武装」する気はありません。が、ベースになる部分はやはり持っておかないといけないなと。

スプリント系に関してもかなり種類がありました。もう少しバリエーションを増やしてみたいなと思います。意図が明確であれば「どんな練習をしてもいい」と思っています。こういう練習をしていたら自然に動きが変わる。それが理想なんだと思います。動きが崩れたときに修正できるかどうかは大きいと思いますが「こちらがやりたい動き」があってそれをどのような手段で身に付けるか。mtm先生が「個人差」について言われていました。腕振りが悪い。だからこそを徹底的に修正しなければいけない。が、その動きでタイミングがあっていて推進力が生まれているのであればそれで良いんじゃないか。根本的に間違っている場合は修正が必要。そうでなければそれは「個人差」と認識して生かしていく。「型にはめる」だけでは可能性をなくしてしまいます。その部分も含めて考えていきたいなと思います。

またまとまりがなくなってきました(笑)。どうなんだ。まーとりあえず記録しておきます。楽しい時間です。
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