14期生 木村です。あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。
また、しばしお付き合いいただければ幸いです。
正月というと思い出すのですが、以前は、毎年元日に栃木県の足尾町に行くことがよくありました。
言わずと知れた足尾銅山のあった山あいの地域です。昨年、天皇皇后両陛下がご視察に行かれましたね。
足尾が気に入って、よく行くようになってから約20年になります。既に十数回は行っています。
多い年は年3回くらい行きました。低山の山歩きをしながら、気に入った場所で、日長一日、煮炊きをしては酒を飲む。
夜は近くの温泉でまた一杯という具合でした。人がほとんどいないので、自然に囲まれてのんびりと過ごすにはちょうどいいのですが、
観光を目当てに行かれる方は、時間を持てあますかもしれませんね。
この足尾町、実は 「限界集落」 です。「限界集落」とは、65歳以上の年齢層が、全人口の50%以上を占める集落のことを指しますが、
栃木県内の「限界集落」の半分は、この足尾町に集中しています。かつて足尾銅山の最盛期、大正年間は、炭鉱夫などで
人口約38,000人を数えたのに対し、今は、約2,300人、15分の1以下です。銅山という産業の衰退とともに、働き手が離れ、
現在では少子高齢化の最も厳しい地域になってしまいました。
足尾は、上高地や尾瀬などの観光地と異なり、本当に人がいません。山や集落を歩いていると、かつての栄えたなごりが、
あちこちに見られます。その一方で、場所によっては、それらが自然の中に同化していく過程も見受けられます。
人がいないためか、かえって、昔、多くの人がいたであろう 「人の気」 みたいな不思議なものを感じます。
けして霊感ではありませんが、この人のいない環境と、不思議な感覚が気に入っています。
足尾のひっそりとした山あいの地域が、人の手によって荒らされることが無いことを願っていますが、その反面、
目立った産業が無いこの地域に暮らす人たちの生活を考えると、「このままでいいのだろうか?」という気持ちにもなります。
診断士の仕事で、 「地域支援」 がありますが、足尾の地域が消滅することなく、一方で、今のままで残ってほしいと考える時、
複雑な気持ちになります。
今日もまたとりとめのない話ですみません。お付き合いいただき、ありがとうございました。