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美味しい商店街のコロッケはどこに -小売商店の原点を考える-

2016-04-01 20:44:32 | OB生の近況報告・活動報告

15期の小林隆です。

私は自らが大手百貨店に18年勤務した経験から、コンサルタントとして独立した今も、小売・流通業が元気であればよいと願っている。

しかし、年々中小小売業は減少し、今後も人口減少などに伴う消費市場の縮小も相まって、厳しさが増すものと思われる。

昔の商店街には、良くも悪くも個性のある店が多かった。
私の子供のころのお気に入りは、おいしいコロッケを作る肉屋で、アツアツの揚げたてを、茶色い紙の袋に入れてくれた。
いつの間にか、そのお肉屋さんは消えていた。


最近の私のお気に入りは、輸入食材を売る「カルディコーヒーファーム」(以下「カルディ」)という店である。
品揃えは、大半が輸入食品で、コーヒー豆と一部に国内の逸品を品揃えしている。

「カルディ」は、1977年創業のコーヒー豆卸売業が前身である。
小売店舗は、「様々な食材が所狭しと並び、商品を眺めているだけで好奇心が沸いてくるような活気のある店」を目指し、1986年に第1号店をオープンさせてた。

現在では、国内に直営店349店(2015年8月現在)、コーヒー豆、業務用食材、酒類の卸売事業(東京・名古屋)、レストラン(国内)2店舗、カフェを国内7店舗、海外4店舗 展開するに至っている。

私は、私も愛用するその店の成功の背景に、小売業の原点を感じている。

それは、
①品揃えの楽しさ

②物を売るのは、情報を売ること
という2点である。
小売業に従事する者にとっては当たり前のことであるが、実際に実践しやりきるのは難しい。

①の品揃えの楽しさとうい点では、まさに店内を散策しているだけで、興味をそそられる輸入食材が多く品揃えされえいる。
かつては、明治屋等の高級スーパーの期限切れ寸前の商品が、値札をはがし忘れたまま、低価格で売られていたこともあったが、現在では自社で作ったPB商品のタイ食材やフォーどを製造販売するに至っている。
天井まで、うずたかく積まれた、輸入食材や菓子は、初めて見るものも多く、また価格も手の届く範囲なので、ついつい余計に買ってしまう。

②は、「物を売る事はは、情報を売ること」という点である。消費者が初めて見る商品も多いのだから、説明がなくては、その価値が伝わらない。
だから、POPやプライスカードでのコメントや使い方の説明はきわめて重要なのであるが、多店舗展開している今でも、手作り感のあるPOPがきちんとつけれれている。そうしたことがきちんとできているのである。をこでは商品の持つストーリーや、仕入担当者の思いのようなものが、伝わってくる。

もちろん、その他にも、様々な努力やノウハウが山のようにあることは、想像にかたくない。

ただ私は、ワクワクする商品・品揃えや商品情報の提供は、中小小売業の基本であると考えている。消費者のニーズを考え、自分の足で探し、感性で判断し、苦労をして仕入れた熱意は必ず消費者に伝わる。

そうした商品を仕入れることは、口で言うほど、簡単でないだろう。だからこそ、実現できれば消費者はそれに応えてくれる。物が溢れている時代だが、買いたい商品がないと応える消費者は多い。

私の地元は、商店街としては比較的頑張っている方だと考えられる。今でもは500メートル以上にも及ぶ商店街に、商店が軒をつらねている。

しかし、昔あった、おいしいコロッケをつくる「肉屋さん」、威勢のいい「魚屋さん」、子供があつまる「おもちゃ屋さん」等個性のある店はもうそこにない。
最近では、ナショナルブランドのチェーンの飲食店が増加してきた。

ぜひ、地元に愛される、個性のある商店が日本全国に増えていってほしいものだ。
私も、小売業を得意とする中小企業診断士として、その一助となるよう努力したい。

小林 隆

コメント (3)
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