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北海道新幹線がもたらす効果

2016-04-02 22:00:00 | 事務局からのメッセージ

こんにちは、事務局 佐野です。

2016年3月26日、北海道新幹線が開業しました。
北海道を初めて走る新幹線ということで、住民や鉄道ファンのみならず、多くの方が関心を持っておられるでしょう。
既に仕事や旅行で乗られたという方もいらっしゃるかもしれませんね。

幼少期青森で過ごしていた時には、いろんなところで「いつかは青函トンネルに新幹線を!」というスローガンを目にしましたが、当時はそんな大それたことが実現するとは思ってもいませんでした。それが実現してしまったのですから驚きです。まさに「あきらめなければ、夢は叶う」、のですね。

さて、この北海道新幹線が開業することで、どんな経済的な効果がもたらされるのかを調べてみました。
東海道や北陸に比べると沿線人口の少ない青森~北海道間ですので、とても気になります。

2014年10月に日本政策投資銀行が発表した、函館までの開業で得られる北海道内への経済的効果は、年間約136億円だそうです。
(出典: http://www.dbj.jp/pdf/investigate/area/hokkaido/pdf_all/hokkaido1410_01.pdf )
同じ日本政策投資銀行の予測では、北陸新幹線開業による年間の経済的効果は石川県124億円、富山県88億円となっています。双方比べても遜色ない数字ですので、予測どおりならば、そこそこの効果は期待できます。
これが札幌まで延伸したらどうなるかという試算も出ていて、なんと900億円にもなるとのことです。
(出典:北海道庁(2014年6月) http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/skt/chousa/sapporo-kouka.pdf )
ただし、開業が15年以上先になるようなので、今のところは”皮算用”ですね。

次に気になるのは、移動時間です。
一般に「4時間を超えるとお客は航空機に転移する」と言われています。東京から新函館北斗までは最短で4時間2分です。これは判断が分かれるところですね。
飛行機を使うと、東京駅から羽田空港までバス35分、空路1時間20分、函館駅までのリムジンバスが20分で、約2時間15分ですが、乗り換え時間を考慮すると約3時間です。やはり東京からの移動時間だけでみたら、飛行機の方に軍配があがります。
でも、埼玉県から函館に移動する場合はどうでしょう。
新幹線は大宮・新函館北斗間は最速3時間38分です。大宮からリムジンバスで羽田空港まで1時間ほどですので、トータル約3時間15分くらいでしょうか。だいぶ拮抗してきました。私なら、20分程度の差なら、乗り換えの手間が少ない新幹線を選びます。
こうしてみると、空路の便があまり良くない北関東や南東北からの旅行者やビジネスマンが新幹線を使って函館を目指す可能性が高いのではないかと推測できます。
北海道と東北の域内総生産を合算すると約50兆円になるのだそうです。北海道新幹線が、これまで連携が乏しかった北海道、東北、北関東を合わせた新たな経済圏を誕生させるかもしれません。
 
開業後3日間の平均乗車率は43%だったという報道がありました。春休みに入っていますので、もっと伸びてもいいのかなという気がしないでもありませんが、北陸新幹線も48%だったことを考えると、まだまだこれからが勝負という気がいたします。
北海道新幹線開通を機に、東日本全体がより発展していくことを願って止みません。

コメント (3)
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