15期生の田本秀行です。
前回のブログでIoTのモヤモヤを少しとってみようと試みてみました。今回もひきつづきIoTを話題にします。現在IoTと呼べる製品には、どのようなものが世の中に出ているのかいろいろ探しています。IoTの定義そのものが若干モヤモヤしており、なかなか、これがそうです!というわけにはいきません。ですので、まずは、思いつくまま羅列していきたいと思います。
IoTの製品は、ざっくり、「Things」と「Internet」に分けることができます。最初に「Things」のほうですが、製品名に「スマート」という言葉が使われるとそれっぽい感じがします。スマートフォン、スマートウォッチ、スマートメーターなど。特にスマートウォッチはApple社がApple Watch(http://www.apple.com/jp/watch/)を出し、すぐにGoogleのAndroid陣営が対抗しています。スポーツやアウトドアでの用途を中心に、スマホからスピンアウトする格好で市場ができあがり拡大しています。そして大御所?のカシオが満を持して新製品を投入しました(http://wsd.casio.com/jp/ja/)。かなりカッコいいと思います。スマートウォッチの特徴は、加速度センサーをはじめとした各種センサーが搭載されていて、その計測データをスマホと連携しながら監視したり計測結果を分析して、リアルタイムに日々のスポーツやアウトドアの活動をサポートするところです。なかなか実用的なのですが、意外にもスマホ側のバッテリを大量に消費してしまうという弱点が課題となっています。今、スマホを除けば一番身近なIoT製品ではないでしょうか。
他に「Things」を具現化している身近な製品として、ネットワークカメラがあげられます。こちらはIoTと言われるはるか以前から製品として世に出ており歴史があり、2000年代の市場は成熟していました。ところが、IPカメラの登場により、HDデジタル化による高画質映像のリアルタイム送信が実現し、防犯、介護、そして生産管理系への様々な用途への広がりを再び見せています。IoTの主役として躍り出た現在は、スマホとの連携と認識技術の発達により、子供や老人の状態変化をキャッチしてスマホへ通知を送ったり、対象物を特定してその動きに追従して映像をスマホで見続けることができるようになり、「監視」から「見守り」という言い方もされるようになりました(http://www.iodata.jp/ssp/lancam/qwatch/)。
他にも人が入れない災害現場や遺跡を撮影できるドローン。Amazonでは無人配達に使う大型ドローン(http://www.amazon.com/b?node=8037720011)。ハウステンボスやホテルのフロント係として続々採用されているペッパー君、自分の分身として外出してくれるおりひめ(http://orihime.orylab.com/)といったロボットなど。今後の注目製品と思います。
一方、「Internet」のほうはこれといった決定版的な製品がありません。クラウドなので目に見えにくいということ、カスタマイズや開発が必要になるため「ありもの」ではないこと、といった理由からでしょう。私が注目しているもっとも身近なクラウド上のシステムは、サイボウズのkintonです(https://kintone.cybozu.com/jp/)。APIを使ってではありますが、プログラミングを知らなくてもかなり本格的なクラウドの生産管理システムや業務システムを構築することができます。IoTに特化したものでなく、普通のクラウドシステムなのですが、サイボウズのこの独特なお手ごろ感は、「Things」と実はとても相性がいいのではないかと考えています。
最近では、各社がIoTを銘打ってクラウドサービスを開始しています。旭酒造の獺祭の製造プロセスの最適化を支援している富士通(http://www.nikkei.com/article/DGXMZO79305400V01C14A1000000/)。安川情報システムとCTC(http://www.ctc-g.co.jp/news/press/20160331b.html)。東洋システムエンジニアリング(http://www.to-be.co.jp/news/press/2016/news160217.html)。日立情報通信システム(http://www.hitachi-ite.co.jp/products/smt_iot/)。このあたり、ただのシステムインテグレータという感がしなくもないですが。。。
足早ですが、以上、IoTの製品を概観してみました。本当はまだまだ他にも将来性がある製品はたくさん生まれています。とくにスタートアップでは様々なコンセプトの製品が試されています。かなり近いうちに、セキュリティ、生産管理、マーケティングなどなどIoT製品が当たり前のようにInternetにつながってクラウドでビッグデータが処理され、経営支援に役立たせることが普通に行われていくようになると思っております。その時に多くの選択肢を提案できるように今からいろいろと勉強しておきたいと考える今日この頃です。