こんにちは。稼プロ!17期の山本はるかです。
皆さまのお仕事や職場では、繁忙期はありますでしょうか。
中小企業診断士は、予算や補助金の影響もあり、3月が繁忙期となりやすい傾向にあります。
私が勤める会計事務所業界も、同じように3月が繁忙期ではありますが、あまり知られていないもう一つの繁忙期がこの5月です。
個人の確定申告の期限は3月ですが、法人の税務申告期限は決算日の2か月後となっています。
上場企業や上場子会社などは、比較的3月が決算月であることが多いので、この場合の税務申告期限は2か月後の5月末となります。
民間企業であれば、決算月を選択できますので、3月決算でないこともありますが、
私の担当している社会福祉法人という公共性の高い法人では、補助金の締めが関係してきますので、必ず3月決算と決まっています。
そんな繁忙期真っただ中の今日、行っていた業務が、社会福祉法人の財務分析です。
昨年から関わらせていただいているクライアント様より、今回の決算で赤字に陥ったため、安全性と今後の方向性について知りたいという要望がありました。
そのため、平均値の収集をし始めました。
同業他社との比較、診断士の試験でも必ず出てきますね。
医療福祉業界では、独立行政法人福祉医療機構(WAM)から借入を行うことが多く、他の金融機関と同じように決算書を提出します。
そのデータが平均値として公開されています。
医療福祉業界の、全国的な動きを知るのに非常に役立ちます。
また、社会福祉法人は基本的に決算書は公開義務があり、これもWAMで閲覧することができます。
社会福祉事業はサービス業と同じで、その場でサービスを受けることしかできませんので、顧客が遠方であることはあり得ません。
地域の状況に左右されるため、全国的な平均値と、地域的な平均値とではかい離があることが考えられます。
地域の同業他社の経営状況を読み取ることで、地域における当社の位置づけを把握し、今後どのような方向性で事業展開をすべきか、検討材料とすることができます。
財務分析の醍醐味は、それをきっかけにクライアント様と課題を洗い出し、将来を考えることができることだと思います。
数字上の財務分析だけで、ピンときて次の行動ができるクライアント様も中にはいますが、多くの場合はそうではありませんし、網羅性が高くないこともあります。
数字から、クライアント様の現場で何が起こっているかを考え、よりよい経営のため、永続性を高めるため、行動目標まで一緒に考えることに、面白さを感じます。
特に福祉業界は、国の予算に左右される業種であり、ニーズの拡大と市場の拡大が一致しない業界です。
日本の福祉を支えるため、微力ながらお手伝いしたいという思いを忘れず、目の前の財務分析を続けます。