こんにちは、塾長の山﨑です
早いもので私のブログも20回目となりました。今年は桜が早く開花しあっという間に満開になった割にそのあとの花冷えで長持ちしていますね。
さて、昨年4月7日の10回目のブログでは「脚本家の力」と題して、邦画ドライブ・マイ・カーがアカデミーショー国際映画賞に輝いたお話を書きました。今年は先週最終回を迎えた朝ドラ「舞い上がれ!」を取り上げたいと思います。3月22日に塩谷さんが書かれたところなので、新鮮味に欠けるかもしれませんが、いいストーリーだったと思います。
あらすじは塩谷さんが詳しく書いていただいた通りですが、ここでは展開の面白さに触れてみたいと思います。ドラマの初回に子供の舞ちゃんが両親と旅客機に乗っているシーンから始まり、機長のアナウンスで大人の舞ちゃんが搭乗客に語りかけ、子供の舞ちゃんが「この飛行機の機長さん女の人や!」と驚き、喜ぶという短い場面があります。これは確か夢の中のような設定でしたが、なるほど「舞い上がれ!」は女性機長誕生の話かと思わせるところです。
舞ちゃんのお父さんは東大阪のネジ工場の経営者で、父親の急死で航空機メーカーの勤めを辞め後を継いだのですが、飛行機の部品を作ることが夢です。舞ちゃんもその影響を受け、大学では航空工学に入学します。そこで鳥人間コンテストの人力飛行機に出会い、部員となりそのパイロットになります。そこで飛ぶこと自体の魅力に取りつかれ、航空工学を中退して航空学校に入り旅客機のパイロットを目指すことになります。鬼教官の試験に苦労の末合格し、見事パイロットの資格を獲得します。と、ここまでは初めての女性機長の誕生物語かと思うわけですがここまでが年末までのお話し。
ドラマは年が明けると父親が急死し、母親が後を継ぐこととなり、舞ちゃんも内定していた航空会社を辞退して、母親を助けて工場の仕事を始めます。ここからは東大阪の中小企業の事業承継と企業連携という、中小企業診断士目線な話に移っていきました。航空機部品用ネジの試作がきっかけで自動車部品用ネジの量産受注につながり、自社だけでは作れなかったネジ部品を東大阪の中小企業の連携で受けることができました。これがきっかけで舞ちゃんは、企業連携をコーディネートする会社を立ち上げ女性起業家となります。そこでかつての大学の人力飛行機部の先輩が起こした空飛ぶ車を試作するベンチャー企業を支援して、出資を募り、共同開発者を集め、ついに型式証明を取ることができます。
そして最終話は2027年五島列島の島を渡る空飛ぶ車の初フライトを自らパイロットとなり成功させるシーンで終わりますが、それはこのドラマの初回に女性機長の舞ちゃんが搭乗客に語り掛けるシーンと重なるものでした。最後の機長のアナウンスは「まもなく一つ目の目的地に到着します」というものでした。それはコロナが明け、この先無限に広がる到着地を開拓していくという未来に向けたメッセージだったと思います。このドラマは全くの創作ですが、事業承継、地域連携、女性企業家、ベンチャー企業、エンジェルと診断士目線の詰まった、脚本家の力を感じさせるよくできたストーリーでした。最後の初フライトがあまりに静かで揺れもしないのがちょっと現実味はありませんでしたが。2025年の大阪万博では空飛ぶ車が登場するそうですから楽しみですね。
塾生の皆さんも人生の脚本家として自らのキャリアビジョンをどのように描いていくか、こちらのドラマも楽しみです。
別件ですが、こちらもお時間あればご覧ください。先日の塾長講話の延長です。
専門家コラム「人を大切する経営」(2023年4月) | 一般社団法人 東京都中小企業診断士協会 中央支部 (rmc-chuo.jp)
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