16期生の大石泰弘です。
今回は現状の表現の失敗についてです。
問題の定義はあるべき姿と現状とのギャップです。
現状を記述するときにはいくつか失敗する要因があるので注意しなければなりません。
私がよくやる失敗を紹介します。
①否定形で書く。「xxをしていない。」など。これでは現在位置がわからないので
あるべき姿にたどりつく道筋が決まりません。否定形しか思いつかない時には、
なぜなぜで深堀していくことで真因に近づくと、今のやりかたを表現する言葉が
決まることがあります。
②内的要因で書く。精神論で書くと言ってもいいと思います。中小企業診断士が解決
できるのは、プロセスとか組織などの外的要因です。外的要因の問題解決の結果と
して内的要因も解決するかもしれませんが、それはあくまでも副次的効果です。
でも「社員のやる気がない」などと記述してしまうことがよくあります。
③意見を記述する。意見は結局信じるかどうかになる。コンサルタントは事実を根拠に
ロジカルに説得しないとクライアントが納得しない。しかし普段記述する文章は、
事実と意見が混在しているのにそのことに気づいていない。アメリカでは小学校から
事実と意見を峻別する教育を受け、練習を積んでいる。日本では大人でも意識して
いないので、自然に失敗しています。
みなさん1年間よく頑張られました。コンサルタントになられる方はぜひ一緒に切磋琢磨
していきましょう。