こんにちは。稼プロ!19期の宇野毅です。最近、仕事の中で、「アメーバ経営」に触れる機会がありました。「アメーバ経営」は皆さんご存じの通り、昨年亡くなった京セラ創業者の稲盛和夫氏が京セラの経営を通じて構築した経営管理手法です。
本日は、自分自身の整理の意味も込めて、「アメーバ経営」を取り上げたいと思います。
「アメーバ経営」では、会社の中をいくつかの小さな集団(アメーバ)に分けて、自主独立の組織運営を促します。アメーバはそれぞれ責任者の下、全メンバーで自分たちの稼ぎを確認しながら、日々の仕事に取り組みます。経営者だけではなく、全社員が経営に参加し、現場の知恵を集めることで、より良い仕事をめざす手法です。
「アメーバ経営」の目的は以下の3つです。
① 全員参加経営の実現
会社が目指すべき理念をベースに、社員ひとりひとりの経営参画を目指します。
② 経営者意識を持った人材の育成
各アメーバの経営を責任者に任せることにより、経営者意識を持った人材の育成を図ります。
③ マーケットに直結した部門別採算制度の確立
組織を小さな単位にすることで、市場の動きや変化に迅速に対応できる部門別の採算管理を行います。
「アメーバ経営」で特徴的な考え方として、「時間当り採算」というものがあります。稼ぎから経費を引いたものが、儲けですが、「アメーバ経営」では、その儲けを時間で割って、「時間当り採算」を計算します。これは、従業員1人あたり1時間の労働でどれくらいの付加価値を生み出したかを求めるものです。なお、「アメーバ経営」では、人件費は経費に含まれません。組織を小さく分けているため、個人の人件費の開示につながってしまうからというのがその理由です。
また、「アメーバ経営」を実現していくためには、経営管理の仕組みづくりが重要です。
まずは、組織の役割と責任を明確にして、採算に対する責任部門がどこかを明確にすることが必要です。次に、採算を議論する場、業績検討の会議体やスケジュールを設定します。そして、その会議体できちんとした議論を行うために、各アメーバの業績数値をタイムリーに把握するしくみを構築します。正確な部門別実績を把握し、フィードバックできるシステム構築が「アメーバ経営」を支える重要な要素となります。
私自身、将来的には、組織開発や組織活性化の分野で、クライアントに対して有用なアドバイスや伴走できる診断士を目指しています。その意味からも「アメーバ経営」の考え方から学ぶことは多いです。今後もさまざまな機会で、引き続き学んでいきたいと思っています。