東京都中小企業診断士協会中央支部認定!「稼げる ! プロコン育成塾」ブログ

東京都中小企業診断士協会中央支部認定マスターコース「稼げる!プロコン育成塾」のブログ。経営・ビジネスに役立つ情報を発信

「あさひ」のこと

2024-04-29 12:00:00 | 23期生のブログリレー

みなさんこんにちは。
19期の森です。

さて、「サイクルベースあさひ」は皆さまもご存知かと思います。
もう業界独り勝ちといっても過言ではない。
我が家の自転車の1台は電動アシスト付で、7年前くらいにあさひで購入したものです。
その時が初めての利用だったのですが、購入してすぐバッテリーの初期不良があって購入店で交換したり、その後もあさひの違う店舗も含め利用しました。
その際、いずれの店舗も接客が気持ちいいな、となんとなく感じてはいました。

最近、別のスポーツサイクル店で購入した自分の職場の最寄り駅に置いてある通勤用の自転車が調子悪く、通勤の帰りに時間的に寄れるお店を探したところ、近くはないけどかろうじて行ける範囲にあさひの店舗があったので、行ってみることにしました。
閉店間際でこちらも恐縮していたのですが、お店に入るなりすぐ声をかけてくれ、状態を伝えたところ、必要な修理とパーツ、いくつかのオプションとその凡その見積もり、パーツの在庫の確認とだいたいの所要日数を回答してくれました。感心したのが診断の際、最初は比較的若い方の整備士さんが見てくれて、その見積もり額が3~4万円くらいで、お願いするかどうか迷っていところ、後から先輩の整備士さんがやってきて、ブレーキのワイヤーの交換が高くつくので「お客さんが費用を抑えたいようなら、今回は調整でいけると思います」と言ってくれて、3分の1くらいの費用になり、修理を頼むことにしました。
更に「修理完了までの間に代車は必要ですか?」と聞かれ、これには大変助かりました。通勤に自転車がないと不便でしたし、この日、駅まで戻るにも2kmくらいあったので。
 
他店で購入した自転車にも関わらず、区別なく気持ちの良い対応だなと思ったと同時に、そう言えば過去の他の店舗の体験でもそうだったと思いだし、たまたまかもしれませんが、企業としての(株)あさひに興味を持ちました。

今は3代目社長ですが、元々1代目はおもちゃ屋さんで、2代目がおもちゃ屋でも扱っていた自転車を専業にして、その後、中国製造の低価格品の普及で利益が出なくなり、スポーツサイクル専門に活路を見出して、それなりにビジネスとしてうまくいっていたそうですが、やはりマニア向けではなく、一般の人たちに自転車に乗る喜びを感じてもらいたいと、再び幅広い商品を扱う今の業態に転換したという経緯だったようです。ただし、今度は中国製品のような安いけど売りっぱなしで使い捨てを前提としたビジネスモデルではなく、買ってもらってからの関係を重視し、パンク修理も含めた保守や点検、メンテナンスサービスで差別化していく、という戦略を採られています。たとえば、普通の自転車屋さんにパンク修理をお願いすると、たいてい預かりで夕方に取りに来てください、となりますが、あさひではできるだけお待たせせず、今必要なのだから、修理をスピーディにするという方針で、店員の体制や技術の向上に努めているということです。実際にあさひでは、KPIとして売上に直結する指標ではなく、「点検サービスの登録者数」というものを以前は掲げて最重視していたようです。わかりやすいですね。
今のあさひの公式な資料を見ると、さすがにいろいろKPIも掲げられていて、社員の研修や資格制度、キャリアに関すること、それからアプリダウンロード数や出張修理、買い取り件数、SDGsやダイバーシティに関することなど大企業らしいものもあります。それでもいずれもがお客様との関係性を指向したものになっていると感じます。
たしかにあさひが近くに出店して廃業する自転車店も多いとは思いますが、こうした経緯や企業理念、社員にもそれが浸透している(と感じる)企業は、応援していきたいと思っています(株主にもなってしまいました)。

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする