たまには金髪がふさふさの大石です。
近年のNHK番組は凄いものが多いと思います。
凄いと思うことの一つは、素晴らしい結果を放送するだけでなく、素晴らしい結果を目指して長年努力をするプロセスも取材し、放送しているからです。取材を始める時には凄い結果になるか、半信半疑だったに違いないようなことを、早い段階から取材し続けているのです。
たとえば、リオオリンピックの女子の卓球に代表選考で落ちた平野選手が、オリンピック会場の客席で応援する姿から始まり、落選の悔しさから卓球スタイルを攻撃型に変え、単身中国に渡ってプロリーグで武者修行する姿を取材して今夏放送しました。その後中国チャンピオンも倒し、最近中国は日本選手のプロリーグ参加を拒否するようになっています。
取材を始めた段階では、平野選手が将来のエースになる可能性が高いと思って取材を始めたのでしょうが、こんなに早く日本と中国のエースを倒すことまでは予想しきっていなかったと思います。
もう一つの例は、今年新種の恐竜の化石が、ほぼ一体分揃った北海道のニュースの番組です。骨の一部が見つかったのは10年くらい前です。その時は恐竜のものとは断定されていませんでした。博物館の他の化石と一緒に保管されていたのを、他の博物館の研究員がたまたま見て、恐竜の化石であることを発見するのが7年前で、取材が始まります。
その後、その化石の発見場所の近辺に他の部位の化石があるに違いないと洞察し、億円レベルの発掘予算を町に確保させる人が現れ、発掘を続けていくうちに他の部位の化石が出てくるようになり、ついに一頭分まで発掘されたのです。7年前の段階では、ある程度の根拠はあっても半信半疑だったに違いありません。
こういう取材は時間がかかるし、結果的に大したニュースにはならないリスクが高いのです。経済性はとても低いと思います。それでもできるのは民放ではないからでしょう。それだからかどうかはわかりませんが、一つの取材で複数の編集をして複数の番組にしたてたり、反響が大きかった番組は深夜も使って何度も放送したり、ダイジェスト版を再放送します。
でも、お金に余裕があるからやっているとは思えません。なぜNHKがそこまでするのか考えてみました。おそらく、長い目で日本の将来を見据え、日本人の知識や思いが向かうべき方向を見定め、そっちへ向かう気持ちを起させるような番組をつくろうという信念があるからだと思います。
性急に良い結果をだそうとしがちな我々庶民に、じっくりと良い努力を続けることの大切さを腹の底から確信させようという信念があるように思います。
音楽番組でも信念を感じます。積極的に東北での復興支援活動している人達を優先的に出演させているからです。復興支援を忘れさせず、支援継続の流れを世の中に起こそうとしているように思います。
私は経営コンサルタントとしてのキャリアビジョンが、まだ生煮えです。半信半疑です。でも、自分なりに未来を見据え、良い方向に企業経営を向かわせるぞという強い信念を持ち、できるだけ大きな影響力のあるコンサルタントになりたいなと思う今日この頃です。NHKほど資金力はありませんが、強い信念は持ちたいと思います。
ダーウィンが来た、が唯一マトモな動物番組だと勝手に思っています。