こんにちは。塾長の鴨志田栄子です。
今回は、新潟県三条市の柔軟な発想に基づく取り組み事例を紹介します。
1.給食に牛乳は当たり前か?
学校の給食には、栄養価の高い牛乳はつねにあります。
ところが、2月19日のNHK番組「あさイチ」で、新潟県三条市が「給食から牛乳を廃止した」というものでした。ご飯の給食に牛乳は合わないことが理由だそうです。
この話を聞いたとき、それまで給食に牛乳を供給してきた企業は、大きな売り上げを減らすことにるのかなぁと思ったのですが、実際は違いました。
給食時には牛乳は飲まないが、ドリンクタイムを設けて、その時間に牛乳を摂取するように変えたとのことです。給食を食べ終えた子供達は、昼休みは外で体を動かし遊んできます。汗をかいた後に教室に戻るとドリンクタイム。まずは、牛乳を飲んでから、午後の授業が開始されます。
先生曰く、牛乳を飲むことで、生徒が落ち着くので「授業が始まるから静かにしなさい」などという注意は必要なくなり、スムーズに授業に移れるというメリットがあるそうです。
2.職員の採用試験に専門試験、教養試験は本当に必要か?
三条市は、私自身仕事でも接点がありますが、役所の職員の採用試験方法を改革するなど、他でも柔軟な対応が見られます。2013年3月、さいたま市で開催された「全国都市改善改革実践事例発表会」での発表事例の他テーマは、「来たれ!! 素直な肉食系」。職員の採用方法において専門試験や教養試験を廃止し、中堅職員による面接を実施のほか、市長による面接を実施することで、県内1位の応募者があり、最終倍率47.1倍になりました。通常の業務改善では、職員採用方法を変えるというところまで踏み込むのはなかなか難しいのですが、市が求める人材を明確にして、その獲得に特化することは、「人」という経営資源を尊重する考え方であり、行政サービスを支える職員はどうあるべきかという原点回帰の考え方を実行に移したといえるのではないでしょうか?
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前例踏襲ではなく、柔軟な発想で新しいチャレンジを次々と展開している自治体のひとつをご紹介しました。以上の事例から、先入観ではなく、常にこのやり方が最適かどうかを考え、「ノー」ならば、すぐにやり方を変えていくという行動力、これが、組織のパワーになると実感します。育成塾でも、柔軟な発想を大切にしていきたいと思います。