13期生の児玉総司です。こんばんは。
昨日(9/4)の日経新聞にちょっと懐かしいエピソードが載っていました。”ビールとおむつ”です。この言葉で1990年代後半にデータマイニングが日本でも知られ始めた頃を思い出す方も多いのではないでしょうか。育成塾でも当時この分野でご活躍だった上田太一郎先生のお話もありました。
当時は目新しかった、大量のデータに対して計算機で統計処理を行い知識を発見したり自動判断したりする、という仕組みは、今はなくてはならないシステムとして実用化されているものも多いでしょう。コンピュータとデータで出来ることの事例として最近面白いと思ったものをいくつか書いてみます。
まず日ごろ接する緊急地震速報。誤報も時々ありますが、日本中に設置された約1000か所もの地震計からのP波データを収集・分析し、瞬時に震源と震度とS波到達時刻を推定し、あらゆるメディアを通じて伝達されます。データ+コンピュータの自動判断+社会全体のシステム連携が実現された、こんなすごい地震情報システムはたぶん日本にしかないのではないかと思います。
次にこの前知った、回転寿司屋さんの指令システム。チェーン店であれば数百万人が何を食べたかというデータが数年で集まります。これをもとに、性別や年齢層によって、来店した人が事前に考える食べたいもの上位3皿が確か15分以内くらいに回ってくる確率は95%を超えるそうです。おかげて経験の少ない人でも、顧客満足が高く廃棄ロスが少ない運営ができるそう。このシステムも日本にしかないのでは?
最近衝撃だったのは、プロ棋士が将棋ソフトに負けたというニュースでした。興味深かったのはそのアルゴリズムです。過去の多くの棋譜を利用した学習に基づいて、あらゆる指しての中から有望なものを選ぶ、というアルゴリズムなのだそうです。
こういう例を見ると、大量のデータから学習する「目的」や「方法」は人間が考えるが、学習自体はコンピュータがやる、という時代になりつつあるのかも、と思いました。データを持つものが有利、というデータ格差が生まれつつあるのかもとも思います。
大草先生のコメントを読んで、再度ネットの記事などを確認したところ、間違いを書いてました。訂正します
×→全ての選択肢を計算して有利なものを選ぶという方法でなく、過去のプロの対戦の棋譜をたくさん記憶し、今の状況と同じ又は最も近いものを探し、過去のベストプラクティス(差し手)をまねる
○→過去の対戦のたくさんの棋譜の学習にもとづいて、すべての選択肢の中で、もっとも有望なものを決める
少し前に読んだ記事と混同してたようです。すみませんでした。