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勝ち組負け組

2022-08-30 12:00:00 | 22期生のブログリレー

22期生の杵渕です。
みなさん、勝ち組って聞くとどんなことを思い浮かべますか?
ひと昔前でいうと、有名大学を卒業し有名企業に入るとか、玉の輿でタワマン生活といったようなイメージでしょうか。一般的に、経済的に裕福な暮らしを手に入れた人のことをそう言ったりしますよね。精神面での充実度や満足度の高い人のことも入るそうです。

対する負け組。
こちらは経済的に豊かでない人や会社での役職が低い人などが当てはまるのでしょうか。恋人や友達のいない人もそう呼ばれることがあるそうです。最近、「底辺の職業ランキング」などいう失礼なものを掲載し、炎上したサイトがありましたね。肉体労働者や単純作業をする労働者を蔑視したひどいものです。

私はどちらも下品な言葉で嫌いです。面と向かってこんな発言する人に出会ったことがないので、マスコミやドラマの作り出した偶像でしょうか。稼プロ第3回講義にて、執筆者として使いたくない言葉という問いに対してすぐに思い浮かべたのはこういった他人を卑下する表現でした。

これらの言葉の語源はブラジルで誕生したそうです。
ブラジルは日系移民最大の居住地で、1908年以降の約100年で約26万人が日本から移住しました。それらの多くはブラジルの都市サンパウロで日本人のコミュニティを作りました。第二次大戦後、ブラジルと断交していた日本からの情報が正しく伝わらない世界で事件は発生します。日本の降伏後、勝利を信じて疑わない「勝ち組」と敗戦を認識する「負け組」が誕生します。コーヒー農園での厳しい労働環境の中、同じ日本人としてお互い助け合って生きてきた仲間同士が分断、対立を生むこととなったのです。最終的には戦勝派が認識派を狙ったテロ事件が発生し、23人の死者を出したと言われています。

また、これは階級的対立の側面があり、比較的柔軟性が高くブラジル社会に溶け込み地位を高くしていった「負け組(認識派)」と、それに失敗した地位の低い「勝ち組(戦勝派)」という、現代の意味とは真逆の関係性であったそうです。

このような痛ましい事件で使われていた言葉が巡り巡って現代日本で全く違う意味で広がりました。背景を知ると、軽い気持ちで使用するマスコミ等には情けなく思います。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (佐々木桃太郎)
2022-08-30 19:00:52
勝ち組、負け組のイメージは、杵渕さんが書かれている一般イメージと同じような認識でいます。

私も一つ(やや)苦手な言葉がありますが、診断士の方々もよく使う言葉なんですよね 笑
※悪い言葉でも何でもないです
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Unknown (山﨑 肇)
2022-09-01 19:59:01
良く使われる言葉ですが、そんな歴史的背景があったのですね。確かにこんな背景を知っていれば、気安く使うべき言葉ではありませんね。もっともその背景を知らなくてもあまり感じのいい言葉ではなかったですが。
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Unknown (藤川豊)
2022-09-02 09:09:33
「勝ち組」「負け組」の誕生背景は、初めて知りました。仲間同士の分断にもつながったということで、二度と起きてほしくない事件です。使うべきでない言葉って、他にも色々ありそうです。気を付けていきたいですね。
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