こんにちは。24期生の山口です。
今回は、私の3つのブログコンセプトのうち「実践に活かせそうなもの」を意識して書かせて頂こうと思います。
皆さんは、稼働率と可動率という言葉を聞かれたことはありますでしょうか?ともに、設備中心の製造現場で使用される代表的な生産性指標です。稼働率は、1次試験でも出てくることがあるかと思います。可動率は「べきどうりつ」と読みます。違いは何かというと、大まかに言って以下となります。
・稼働率
標準稼働時間(or 日数)に対する稼動時間(or 日数)や、生産可能数に対する実生産数で表わされます。稼働率は、現場のオペレーションでロスを無くすことも重要なのですが、生産するものがあることが前提になります。主に量産品を製造している会社で使用する指標です。その会社の定時(例えば8時間)内にどのくらい生産するか(目標値)、もしくは、生産したか(実績値)を表す場合は、100%以下となります。もし、注文が多く定時内に生産できない場合は、100%を超える(時間外での対応が必要)こともあります。つまり、工場の操業度とも捉えることができます。
・可動率(べきどうりつ)
設備が稼働できる時間の中で、実際に稼働した時間で表します。例えば、ある日、定時8時間のところ、計画メンテナンス時間を1時間とっており、稼働できる時間は7時間であったとします。この日、段取り替え、チョコ停の合計で1時間稼働しなかったとしたら、6÷7で85.7%の可動率となります。可動率は、注文数に関係なく、設備が動くべき時間のうち、実際に動いた時間として表されます。つまり、現場のオペレーションでロスを削減していくことで、数値が上げられるものであり、高いほど生産性が良いという指標になります。
また、1品目だけを生産してれば、段取り替えのロスは発生しないため高い数値になる訳ですが、どこの現場でも品種の異なる製品を段取り替えしながら生産すると思いますので、段取り替え時間の短縮や設備や金型を良い状態にするなどしてチョコ停を無くす等々、設備が停止したり、スローダウンしたりする可能性のある要因をあらかじめ潰しておく活動が重要になってきます。そのために活用する指標ということになります。
生産する品目の特性、1日の段取り替え回数、内段取り時間、設定・調整時間、捨てショット時間など、何にどれくらい時間を要しているか、そのデータを調査、収集することが前提となります。実際にこれらのデータをどのように取得するかですが、人手によって記録をつけていたり、設備にセンサーやアンドンをつけて、それらからのデータを吸い上げたりなど設備や会社によりやり方は異なるのではと思います。
昨今、製造業のIoT化が進み、これらのデータ取得と集計の見える化ができるソリューションも提供されていますので、これらを利用する手もあるかと思います。また、社内で独自システムを構築して改善に取り組んでいる会社もあると思います。
現場を見る数としては、まだまだ少ないので、色々な会社の現場を見る機会を得て、良い取り組みを参考にしつつ、データから見えてくる課題に対して、改善提案や支援をできるような診断士になりたいと思っています。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
実際の製造現場では両方を見ながら改善に向けた対応を行っていく事が必要になるのですね。また、実際の計測に当たっても、どう数値を集めるかが課題となりますね。まだまだ勉強が足りないなと思いました。