こんにちは、13期 佐野です。
私は、稼プロ!初代塾長である宮本邦夫先生からドラッカーの名著を通じて、経営学やコンサルタントの心構えを学ぶ「ドラッカー勉強会」の幹事をしています。20数名の稼プロ!OB・OG、現役生、MBC総研メンバーが会員登録され、2か月に1回の勉強会に参加いただいています。
先日2/12(土)の勉強会にて『産業人の未来』(ドラッカー名著集10、上田惇生訳、ダイヤモンド社)を読了しました。本書は、ドラッカーが1942年、32歳のときに書かれたものです。1942年は日本では昭和17年ですので太平洋戦争真っ只中、世界では第二次世界大戦が行われている時代です。
本書には、経営学について全く触れられていません。書かれていることは、「戦後は産業社会が浸透し、経済発展や社会的偉業の数々をもたらすであろう」ということを見通したものです。ナチスの台頭と英仏軍の敗走が伝えられ、全体主義が席巻し始めている世界情勢の中で、このような見通しを本にして世に送り出すなどということは、とても勇気が要ることだったと思います。しかし、ドラッカーが見通した通り、全体主義は崩壊するとともに戦争は終結し、アメリカを中心とした産業社会が形成され、現在の発展経済の礎を築くことになります。
本書から学んだことは数多くありますが、とりわけ心に残ったことは、ドラッカーの極めて冷静かつ正確無比な洞察力です。世界中の誰もが戦争にのみ関心を向け勝利することだけに執着していた時代に、「戦後社会に何を期待するか、そのためにいま何をなすべきか」を考え、そして大方の予測を的中させています。現実を正しく捉え、歴史が教える原理・原則及び法則から将来の姿を見極める。このことは、まさしくコンサルタントに求められる基本姿勢であろうと思います。
ドラッカーと言えば『マネジメント』『現代の経営』『経営者の条件』のような経営学やマネジメントの極意を学ぶという方向に進みがちですが、それ以外の著作からもコンサルタントとして身につけておきたい手法や思考法を学ぶことができます。ただ、漫然と本を読んでもそれに気づくことは困難です。宮本先生のご指導、そして会員同士のディスカッションを通じて、ようやくその大切なことが見えてきます。
次回の勉強会は4/2(土)です。次回から課題本が変わり『「経済人」の終わり』になります。本書は、ドラッカーの処女作であり、1939年に刊行されたものです。果たしてどのような驚きと学びが得られるか、とても楽しみです。21期生の皆さん、そしてOB・OGの皆様も、このブログを読んで関心を持たれましたら、勉強会にぜひご参加ください。初回のみのお試し参加も大歓迎です。私宛ご連絡をお待ちしております。
声掛けさせていただく日がきましたら、その際はよろしくお願いいたします。
佐々木さんからのお声掛け、お待ちしています。