東京都中小企業診断士協会中央支部認定!「稼げる ! プロコン育成塾」ブログ

東京都中小企業診断士協会中央支部認定マスターコース「稼げる!プロコン育成塾」のブログ。経営・ビジネスに役立つ情報を発信

診断士とは縁遠い? 中小企業投資育成株式会社

2023-05-07 12:00:00 | 22期生のブログリレー

読者の皆様、こんにちは。

22期生の柴山宗馬です。

先月、勤務先の新卒メンバーと交流したなかで、就職活動を振り返る機会がありました。

私は最終的には現在の勤務先と中小企業投資育成株式会社の2択となり、躊躇逡巡の末、後者は選考辞退としました。

タイトルの通り、この中小企業投資育成株式会社という金融機関は、多くの中小企業診断士とはやや縁遠いのではと思う一方
目的と特徴を知っていれば支援先を成長させる選択肢の1つになると思っています。
とはいえ、診断士でも名前は知っているが関わったことがなく、他の金融機関との違いも知らないという方が多い印象です。

そこで今回は、就職活動の経験を踏まえ、同社について紹介できればと思います。

まずは、制度面から中小企業投資育成株式会社(通称SBIC:Small and Medium Business Investment & Consultation)を説明しましょう。

同社は、中小企業投資育成株式会社法に基づいて設置された日本のベンチャーキャピタルの草分け的存在であり、
現在は国の直接の関与はないものの、歴史的経緯から政策実施機関の1つに数えられます。
東京、名古屋、大阪それぞれに別法人として独立して経営されています。

同法より、目的は「中小企業の自己資本の充実を促進し、その健全な成長発展を図るため、中小企業に対する投資等の事業を行なうこと」とされています。
そのため、長期安定株主として安定配当を収入源にしつつ、継続的に中小企業を「育成」する活動を展開しています。

さて、ここまででざっくりと概要を理解した皆様はお察しかと思いますが、
中小企業投資育成株式会社は「既にある程度優良とみなした企業」を相手にする機関です。

私は東京、名古屋、大阪の3社全ての就活生向けワークショップに参加しましたが、
その場で見た事例企業は実務補習で見るような企業とは事業規模が段違いに大きく
同社から数千万単位で投資して施策を実行すれば数年で大企業入りも夢ではないという状況でした。

当然ながら、優良企業を発掘して投資するという方針も繰り返し強調された記憶があります。

4年前当時の私は「状態が悪い企業もなんとか助ける泥臭い存在」を診断士に投影していたため
仮に診断士として生きていくとしても、そこではうまく働いていくイメージができなかったことが選考辞退の理由です。

ここまでを踏まえると、中小企業の大多数は出資対象にはなりえないがゆえに
同社はなかなか読者の皆様とは縁遠いのではないかと推察しています。

しかし、問題はあるものの、伸びしろや余力を持ち合わせた上で成長を志向している企業にとっては
自己資金の調達源候補としてコンタクトを取る選択もできるかと思います。

繰り返しますが、中小企業投資育成株式会社は他の金融機関とはまったく目的と特徴が異なります。
それゆえに、場面は限られますが、支援先を成長させる1つの選択肢として知ってもらえたら幸いです。

コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 地域におけるクルマ問題 | トップ | 体のユルさ »
最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (山﨑 肇)
2023-05-07 20:10:31
中小企業投資育成株式会社、名前は知っていても、普段ほとんど縁がなく、深く調べたことがありませんでした。3拠点ともワークショップに参加されたとは凄いですね。この実質公的ベンチャーキャピタルは投資先をどのように見つけているのでしょうか。持ち込み案件主体なのか、投資先を探索する部署があるのか。いずれにしても日本の未来をリードするようになる企業を育成してもらえるといいですね。
返信する
Unknown (杵渕竜也)
2023-05-07 20:18:42
診断士試験のテキストにて初めて知り、合格後から今まで忘れていました。テキストを読み返してみましたが数行しかふれておらず、このブログの方が数倍わかりやすく書かれています。
柴山さんは在学中から中小企業支援をする自分をイメージして自分の進むべき道を熟考していらっしゃったのですね。
返信する
Unknown (柴山宗馬(22期))
2023-05-07 20:33:36
山﨑さん、コメントありがとうございます。

> この実質公的ベンチャーキャピタルは投資先をどのように見つけているのでしょうか。

投資先の発掘部署があり、投資するか否かの審査部門とは分かれているはずです。営業と呼ばれていたような気がします。

どちらかといえば持込案件が多く、発掘部隊が担当地域の公的金融機関、地銀、コンサル企業や税理士、投資先企業とのつながりから新規投資先を発掘することが多いと聞いた記憶があります。

ワークショップの事例では日本政策金融公庫からの紹介案件でした。
返信する
Unknown (柴山宗馬(22期))
2023-05-07 21:00:25
杵渕さん、コメントありがとうございます。

中小企業投資育成株式会社は診断士とは遠い存在であるが故に、テキストでも説明は最小限なのだと思ってます。

私はたまたま就活と診断士試験が並行していたので、テキストで知ったときの「この機関は一体なんなのだろう」という疑問のままにワークショップを行脚しましたが、診断士としてのキャリアを考えるときには中々巡り会いにくいですね。
返信する
Unknown (佐々木桃太郎)
2023-05-13 21:53:37
私も名前を聞いたことある程度ででした。
中小企業投資育成株式会社は渋谷に事務所があるのですね。昨年、そこから徒歩5分位の場所に事務所(兼寝床)を借りる予定でした。色々あり、渋谷ではありますが、異なるエリアに借りました。
返信する

コメントを投稿

22期生のブログリレー」カテゴリの最新記事