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論理性の罠

2020-09-04 12:00:00 | 20期生のブログリレー

 こんにちわ。稼プロ!20期生の山崎です。

 先日行われた第2回講義で、コンサルタントとして身に付けておくべき文章作法と、ビジネス小論文の骨子作成方法を学びました。私は大学の頃から論文を書くのが苦手で、卒業論文執筆時も相当に苦労した経験があったので、自分の弱みを振り返るよい機会になりました。論文は骨子が8割。うまく書けない原因は、論旨をロジカルに構築できていないだけ。つまり、早く終わらせたいあまり、とりあえず手を動かしていたわけです。これでは書けないに決まっています。

 この事実は当時から自覚しており、書き始める前に、構想段階でもっとしっかり練り込めば、惑わずに書けそうだとも思っていました。しかし、そこまで分かっていながら、感情的な理由で改善を怠ってきました。論理は信用ならないものだと思っている、というのがその理由です。

 コンサルタントとしてあるまじき発言に見えると思います。もちろん、ロジカルシンキングが不要と言っているわけではありません。むしろ現代では基礎教養であり、体得必須のスキルです。①万国共通である、②相手に内容を正確に伝えられる、③真因の追及が可能となるなど、そのメリットは計り知れません。

 しかし、論理を頭から信じることは、相応のリスクを伴うことも忘れてはいけないと思います。

 最たるものは、「論理的に整合しているが、根本的に誤っている」という場合です。例えば、誤った統計データに基づく論理展開。どこまで進んでも方向自体が誤っています。極端な話、論理的に整合するものは全て正しいという仮定を置けば、合理的に人を殺めることも可能となってしまいます。もちろん、そんなことは許されません。

 ロジックというものは「道具」であり、言語や火薬と同じく、使い方によって役にも立つし、凶器にもなると思うのです。無防備に信じ込むと、そもそもの誤りや違和感を見落とす可能性があります。そこで問われるのは、発信者または受信者の器であり、識見です。

 稼プロ!第1回では、熱意・創意・誠意に代表されるコンサルタントの心構え「人となり」を学びました。対して、第2回の講義で学んだものは、ロジック自体を上手に構成し、的確に表現するための知識群でした。この学習順序は正しく、どれだけスキルが熟達しても、素地となる自分自身の人間性を高い水準に置かない限り、技術を十分に使いこなすことはできず、信頼されるコンサルタントになることも叶わないのだと理解しています。

 果てしない旅路です。まずは、ロジックというツールが暴走しないよう、上手に舵を取れる力を着実に身に付けようと思います。

コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (青木 洋輔)
2020-09-05 08:31:54
山崎さんの言う論理の暴走を抑えるには、ファクトチェックを働かせること、見識を高めること、倫理観のはぐくむこと、このあたりが必要かもしれませんね。
「論理は信用ならない」、すごいパワーワードです。
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Unknown (大井秀人)
2020-09-05 13:44:56
残念なことに、結論ありきで論理を後付けするケースを見かけることは多いです。自身がそこに陥らないことももちろんですが、一見立派な論理展開を見極める力も重要と感じています。
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Unknown (岡田 英二)
2020-09-06 19:07:33
自分の主張を通すために論理的に説明しているように見せかけるのが上手な人がたまにいます。
以前、そういう人が上司だったことがあったのですが、その時は途中で微妙に論理が飛躍する傾向がありました。
本人はそのつもりはないようで、自分に都合の良い結論に導いていると心から思っていました。
そういう場合は、その飛躍しているところを適切に指摘しないといけないので大変でした。
論理的に説明するのもされるのも、十分な注意が必要ですね。
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