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なんとなく雇用の流動性についてなど

2022-06-04 12:00:00 | 21期生のブログリレー

みなさん、こんにちは

稼プロ!19期生の森です。

さて、今回は私の勤める労働行政関係の話です。

先日、岸田さんが、「新しい資本主義の実現会議」の中で「希望者が円滑に成長産業へ移るため能力開発支援に3年で4千億円規模を投じる。多様なキャリア形成を可能にするため、従業員に副業や兼業を許可しているかについて企業に情報開示を推奨する。」というようなことをおっしゃっていました。

我が県(埼玉県)でも、「雇用の流動化」は一つのテーマになっていて、それは県の経済を強くするという文脈でですけれども、このテーマというのはたぶん実はものすごく根深くて、日本の経済低迷の真犯人かもしれなく、もう30年もどーんと居座っているラスボスみたいなものなんじゃないかと感じています。

そんなデカいテーマですが、とりあえずは小手先の施策でも考えざるを得ず、要するにどうにか「成長分野」とか「生産性の高い分野」へ人を移動させるためのあれこれを、既存のメニューの拡充とか、関係機関との連携とか、ぼんやりとしたアイデアを出し合うみたいなことを最近やっています。

やっていて感じるのが、まずいわゆる「成長産業」が必ずしも人手が必要というわけではない、というか、もちろん専門人材は必要ですけれども、専門人材は希少だから専門人材なので、労働移動させるという程度のボリュームはあるのか、ということです。

これまで、労働行政では、医療・福祉、建設業界などの明確な人手不足分野に対しては、それなりに有効な施策が打てていなくもなかったと思っています。

それが、こと「成長産業」に対してとなると、そうした求人自体少ないですし、求人があってもマッチングできる求職者も多くはない、といった認識があります。

まあこの辺は転職エージェントが押さえているのだろうと思いますが、いずれにしてもそんなに大きなパイではない気がしています。

もちろん成長分野の多くは先端分野で生産性も高い分野なので、専門人材の育成・確保は必要です。岸田総理の言う「能力開発支援」もそのために必要で、最近では「リスキリング」だとか持て囃されていますけれども、以前から同じような方針とか提言は繰り返し行われていて、結果、「求職者支援制度」とかせいぜいその拡充とか、まあ無いよりマシくらいで恒久化されていっているので、今回の首相の本気度にも正直懐疑的です。

個人的には、成長分野も大事ですが、まずはGDPの大半を占めるサービス業の生産性を向上させることでは?と思っています。そこには、この前日の高森さんのブログにもあるような、中小企業のDX支援とかに注ぎ込むべきなんじゃないかと。

あとこの物価上昇の中、他国では賃金が上昇しているのに、日本は上がらないのを見ていると、根本的に何か間違っている気がします。「うちは値上げしません」とか宣言している企業を見ると、「いやそれは下請けに努力してもらってるんだろ?」とか「値上げはしないが、従業員の給料も上げない(キリッ)」とツッコんでしまいます。

はじめは兼業・副業のことに触れるつもりでしたが、脱線したまま長くなってしまったので、また機会があれば書きたいと思います。

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3 コメント

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Unknown (佐々木桃太郎)
2022-06-04 22:09:28
最近ニュースに取り上げられた、従業員給与を一律数万円引上げた企業がありますが、ただ上がるだけでは無いようで、年収はあまり変わらないらしいです。(一人から聞いただけの情報です)

日本の賃金はなかなか上昇しないですねー。
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Unknown (山﨑 肇)
2022-06-05 07:36:28
国税庁のデータでは、日本では1997年の平均年収467万円をピークに下がり続け、2008年リーマンショックの406万円を底に反転したものの2019年で436万円とまだ戻っていません。実に25年も給与が上がっていない国はないのでは?。企業も従業員も「稼げる!」ようにならねば世界から取り残されてしまいそうです。
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Unknown (Unknown)
2022-06-05 20:01:54
佐々木さん

コメントありがとうございます。
社会保険料は上がり続けていますしね。
週休3日制のところはどうなんでしょう。あれも何か欺瞞があるのでしょうか。。

山崎塾長

コメントありがとうございます。
総労働者数は増えているので、高齢者やパートの非正規が増えて平均は下がっている面はありますが、それを加味しても、他の先進国と比べると酷い有様ですね。海外みたいにもっと労働者が希望賃金を主張できる文化だと違うのかもしれませんけど。
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