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昔はタダで入手できたのに、現在では継続的なコストがかかるもの

2024-02-24 12:00:00 | 23期生のブログリレー

皆様、こんにちは。23期生の松田です。

ただいまどのように診断士の副業活動を如何にするか五里霧中、暗中模索の状態で、支部のイベントに少しづつ参加するようにしています。

先日、参加した中央支部イベントの懇親会で、出版社の同友館の方と席が傍になりお話をしている中で、私の経歴の話になりました。意外なことに、防犯カメラ業界の話が面白いとおっしゃっていて、そんな本があれば興味持つ人多いよ、と言われました。そういえば、5年程前には、日本万引防止システム協会という工業会の理事を務めたり、“AIカメラ_松田”とググると、上位にヒットすることを思い出し、私を語るうえでセキュリティー業界は大きな要素であることと再認識しました。ひょっとしたら私の話が、皆様にとっては違うアングルからの社会のとらえ方になるかも、と思い、今回はセキュリティーに関して述べさせて頂ければと思います。

「水と安全はタダ」

昔から日本の特徴を表現した言葉です。今回は水はさておき、安全に絞ってお話をすると、他国との比較では今でも誇れるほどに安全だと思いますが、過去の日本と比較すると通じなくなってきた、と思います、このターニングポイントとなったのは、私が社会人になる直前の平成6年度末に起きた二つの社会的な事象と事件、阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件と言われています。従来、大量の現金がある、夜中でも営業しているということで、金融機関や小売店舗に限定されていた監視カメラがあらゆる箇所への設置が検討され始めました、結果として、以前は導入が進まなかったマンションや商店街といった不特定多数の往来が多い場でも、現在では設置されていることが当たり前になり、報道番組でも防犯カメラの録画映像が引用されることも多くなりました。

また万引き等の刑法犯に関して、日本での特徴が二点あります。

一点目は、高齢者犯罪の増加です。65歳以上の方が万引き、窃盗を繰り返す傾向がこの10年以上続いています。核家族化や独居老人の増加、倫理を超えてしまうほど困窮している現状がもたらす一面ではと推察されます。

二点目としては、外国人犯罪、特に近年ではベトナム人の犯罪が多くなっています。これは外国人が犯罪をもたらす、というより、犯罪を企図する人の手足に使われているという風に私は解釈しています。これを助長する背景としては、現地から日本に技能実習目的などで来日する際に高額な費用を要求するブローカーの存在や、ベトナムで普及しているSNSが、日本という異国でも近隣に利用者がいると通知が来て容易にコンタクトが取れることが、閉じたコミュニティーの形成を促し、裏社会からの影響の受けやすいということも無関係とはいえないでしょう。

こうした中で今大きな争点は、セキュリティー対策とプライバシーの保護という、相反するポリシーの優先順位付けとなっています。顔認証という技術を防犯活用するために、犯罪者の顔情報をデータベース化して摘発を図る動きも数年前は順調に動いていましたが、昨今では犯罪者であってもプライバシー保護という主張も強くあり、大きな動きまでは起こせていません。こうした流れも個人情報保護法の施行と数回に渡る改正が大きく影響していますし、欧州ではGDPRの存在感が年々増加し、米国の巨大テック企業が巨額の課徴金を課されるケースも報道されている通り、グローバルで共通のトレンドといえましょう。ただプライバシー保護のない社会は、業者として監視カメラ映像を多数見たことがある私にとっては恐怖でしかありません。刑務所で受刑者の監視システムを数回納品したことがありますが、見られている側に同情してしまい、いくら刑務に服している期間とは言え私生活を常時見られることは相当なストレスだなと感じました。まだ私も読んでいないのですが、「AI監獄ウイグル」という書籍が市民を不当に監視する社会を取材した、相当に面白く、末恐ろしい書籍のようです。

上述のように、何が正しいかは、その時の社会情勢に大きく影響を受けます。一方で、私人としても公人としてでも我々の起こす行動というのは、少なからず社会の断面に接し、またその行動こそが社会を形成する一部です。連日メディアを賑わす事件が発生するには、確固たる原因があり、その原因を生み出しているのも社会であるとも言えます。私の担当している防犯、監視といったセキュリティー分野とうのは、被害者がいる社会的な事件が大きな需要を生み出すという後ろめたい面があり、この事実は否定できません。ただ、私としては、社会全体で循環する事象に歯止めをかけて、それ以上の悪循環を生み出さない必要な社会投資だと思って提案活動をしております。

とブログを図書館で書いていたら、何と、私のすぐ後ろにありました。「AI監獄ウイグル」が。
数ページ読んだだけで怖くなるようなウイグルで実際に起きている中国政府の監視社会のルポルタージュですが、滅多に読書をしない私がたまたま紹介した本がすぐに後ろにあるという奇縁もあるので借りて帰ることとします。これを読んで、日本がいかに安全かをかみしめたいと思います。

ニッチな話題に最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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3 コメント

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Unknown (須藤佳代)
2024-02-24 19:37:40
なるほどです…!!
人権を守るためのセキュリティも、人権を脅かすことになるのですね。社会がより良くなるように使いたいです。
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Unknown (杵渕竜也)
2024-02-24 20:45:15
安全・快適を目指す目的のものが、逆に自分たちの首を絞めてしまうのは皮肉ですね。
犯罪を事前に抑止するというのは、やはり必要な社会なのではないでしょうか。
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Unknown (永岡伸一)
2024-02-25 05:07:23
日本万引防止システム協会というものがあるのですね!知りませんでした。仕事柄、フィッシング詐欺対策協議会のサイトはよく見るのですが、こちらはお金の流れでの犯罪です。防犯カメラでみる犯罪者自身の動きと表裏の関係にあるかもしれませんね。
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