皆様、こんにちは。
24期の中川です。
2回目となりますが、塩野七海著のギリシア人の物語よりアレクサンドロス大王の行動に見る現代のビジネスへの応用について共有します。
今回はホウレンソウについてです。
社会人になったときに最初に学ぶホウレンソウ。今更ですが、報告、連絡、相談それぞれの最初の2文字を取った、組織活動で必須のお作法になります。
ホウレンソウを正しく行うことは、職場のコミュニケーションを円滑にし、正しく情報共有し、結果業務効率を上げるために役立ちます。
皆さんも組織に属していた経験は確実にあるかと思います。ホウレンソウを行う際に上司に伝える情報に関して意識されていることはありますか?
アレクサンドロス大王の行動には、「情報はすべてでなければならない。下の者がふるい分けて上にあげるのは真の意味の情報にはならない」という主張が見えます。
①良い例:少しでもリスクがあれば報告
長年かかりつけの医師であったフィリッポスについて、ペルシア王に買収されアレクサドロス大王に毒を盛ろうとしているという黒い噂がありました。その情報を掴んだ部下パルメニオンは疑わしいとは思いながらも噂の内容を手紙にしたためてアレクサンドロス大王に送りました。
手紙が届いた時、体調を崩していたアレクサンドロスは、目の前にいる医師フィリッポス当人から受け取った薬を飲みながら手紙を読み、ベッドに倒れこみながらその手紙をフィリップスに読むように手渡し、そのまま眠りにつきました。
もちろん毒は盛られておらず、全快に至ったのですが、子どもの頃からのかかりつけ医には全幅の信頼を置いていたため、疑うことはありませんでした。
フィリッポスは渡された手紙を読みながら生きた心地がしなかったでしょうが、全てを報告したパルメニオンの対応は正しいと言えます。
②悪い例:部下が自己判断で情報をふるい分け
ペルシアを撃破し、逃亡していたペルシア王ダリウスが亡くなった直後のこと、東征を継続しようとするアレクサンドロスに対してマケドニア軍の不満が高まっていました。
そんな折、未然とは言えアレクサンドロス王の暗殺計画が発覚し、騎馬軍団の総指揮を任せていたフィロータスが、そのことを知りながら報告せずにいたことが分かりました。もちろんフィロータス本人が暗殺の計画に加わっていたわけではないのですが、「具体的な計画になってないから重要ではない、と判断して報告しなかった」という罪で死刑となりました。
情報の取捨選択はトップがするからということがその理由でした。
フィロータスは常勝騎馬軍団の総指揮ですし、リュケイオン時代の学友の時からの幼馴染ですから、アレクサンドロスとは遠からぬ仲です。
更にフィロータスは皮肉にも①良い例の方で出たパルメニオンの息子です。
結果的に責任を取って父であるマケドニアの功労者パルメニオンも自死することになりました。
生死を左右する戦いの時代ならではの非情とも言える行動ですが、ビジネスにもこのくらいの緊張感をもって取り組むべきかもしれません。
組織を機能させるために必須の行動です。正しいお作法の理解と実行が必要と感じます。