あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

鏑木清方記念美術館で「企画展 早春の風情」をみて

2024-01-27 13:05:54 | Weblog

鏑木清方記念美術館で「企画展 早春の風情」をみて

 

蝶人物見遊山記第378回&鎌倉ちょっと不思議な物語第458回

 

 

「清方の言葉と共に」なる副題を副えて供せられた今回の展覧会では、大正7年の乙女が土筆摘む「早春」や、大川に架かる毀たれた木橋を描いた「新大橋之景」、最晩年の「白梅」などが見事だが、今回特に注目すべきは彼が遺した正確無比なスケッチの数々。それらは入場して左手に置かれている大きな引き出しに安置されているのだが、そこに見る「探春」、「沈丁花」、「小田原天神山早春」、「伊豆葛城山」などのスケッチは小品ではあるがその出来栄えの見事さは、おさおさ中、大作に劣るものではない。

 

私はこの展覧会で、「暗香浮動」、「摘草」「梅見」「観梅」「探梅」などの漢字に接して、ただそれだけで「早春の風情」を味わったような気分になったのだった。

 

なお本展は来る2月27日まで同館にて人知れず開催中。

 

鎌倉の小町通の雑踏に暗香浮動の在りかを尋ねて 蝶人

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする