蝶人物見遊山記第377回&鎌倉ちょっと不思議な物語第457回
「1960年代の美術を読みなおす」という副題がつけられ、私が名前も知らない、あるいは名前くらいは知っていても、その活動の実態は見たことも、聞いたこともないような大勢の芸術家の作品が、狭い会場に所狭しと並んでおりました。
その中にあっては、いささか場違いの感もある詩人西脇順三郎の「九月」というタイトルの具象と抽象のあわいにある、刷毛でサッとスケッチしたような小さな油彩画、高松次郎の「世界の壁」という題名がついた6、7枚の影絵を組み合わせた巨大なアクリル絵画、そして川村直子の「69-A」というタイトルの柔らかな大腸を数枚重ねたような官能的なアクリル画を、快晴の冬の日につぶさに見物することができたことをけふの無上のよろこびとしつつ、観客無人の会場を後にしました。
なお本展は来る2月12日まで同館にて寂しく開催中だが、なんで作品撮影を許さないのか不可解なり。
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