Think Tank / Blur (2003)
ブラー(Blur)については摘み食い程度しかしてこなかったから、ブリット・ポップ全盛期にはそんなに聴いた訳ではないが、後期ブラーにはとても興味が出てきてよく聴くようになった。きっかけになったのは97年発売のアルバム「Blur」と99年発売の「13」。ここまで成熟していたのかと認識を改めた。ポップでありながら音楽的には様々なチャレンジがあり、飽きさせない求心力があった。思えばこの頃のバンド、あるいは中心人物のデーモン(Damon Albarn)は物凄くクリエイティヴな状態にあったのだろうと思う。
えてしてそんな時期はソロ活動が盛んになってしまってバンドを保っていくのが難しくなることが多いが、このアルバムもそんな状態でレコーディングを開始して、グレアム(Graham Coxson)が脱退し、3人になってしまった。ただこのアルバムは彼らが歩んできた「ポップ」からは逸脱しているものの、内容的にはとても面白くて、全体にまるでコンセプト・アルバムを聴いているかのような独特の雰囲気と流れがある。もう「エレクトリック」と言っていいような音はやはりギターのグレアムが抜けた事による影響だろうか。もうヒット曲は必要がない、と言わんばかりの大胆な力作だ。
初期は(特に日本では)アイドルっぽい扱いだったし、全盛期にはオアシス(Oasis)との喧嘩ゴシップばっかりだったので見落としていたが、そこいらのバンドとはやはりひと味もふた味も違うアイデアとメロディーがある。現在リユニオン活動中だが今後はどうなるのだろう。
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