ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

The Kinks At the BBC: Deluxe Box Set / The Kinks

2013年04月19日 | クラシック・ロック

Bbc Kinky

The Kinks At the BBC: Deluxe Box Set / The Kinks (2012)

底値かなと思ってとうとう買ってしまったキンクス(The Kinks)のBBCボックス・セット。CD5枚+DVD1枚という物凄いヴォリューム。もちろん発売当初からどうしようか迷っていたのだが、どうせ買ってもすぐには手を付けられないだろうと思って期を見ていた。何しろ全部聴き通すと362分? 無理です…。ジャケからしてかなり地味なのは彼ららしいところ(笑)。もう少しいい写真なかったんかな?日本盤は定価15,000円とのこと。20年前だったらまだしも価格差あり過ぎてあり得ません。

キンクスのBBC音源に関しては以前にも2枚組が発売されていて、今回はそれを大幅にヴァージョン・アップ。どうしても「詰め込み」という印象は拭えないが、入れられる物は入れてしまおうという編集スタイルは潔い。ちなみにこの他に聴けるクオリティのBBC音源が存在するのかどうかは知りません。

大まかにいうと、シンプルな中にもオリジナリティ溢れるリフとメロディで大ヒットした初期(60年代中頃)、アメリカ進出に失敗し不遇な時期だったが、却ってイギリスならではの音楽性を深めた中期(60年代後半~70年代前半)、呪縛から解き放たれてアメリカで大ヒットした中後期(70年代後半)、そして超ベテランとなって安定した後期(80、90年代)と変遷しているキンクスの歴史。同時期のストーンズ(The Rolling Stones)やフー(The Who)と比較するとメンバーの交代が激しかったからか、レジェンドとしての扱いはやや落ちる感もあるが、フォロワーやその音楽的影響からいったら前出2バンドよりも大きいかも。噛めば噛む程に味が出てくるこのバンドにハマったのは自分もかなり遅いです。最初はライノから出ていたベスト盤だったかな。

ブックレット片手にでないといつの音源だかさっぱり分からなくなる位のヴォリュームなので、気軽に聴くことがなかなか出来ないのが残念だけれども、どこを切っても染み出してくる素晴しいメロディには感服。ラジオ・テレビ出演時だけにどうしても演奏する曲が重なるが、音源がありすぎて聴き疲れるなんて贅沢な話です。

DVDはかなり綺麗な映像ばかりでこれも満足。テレビ番組出演時はリップシンク(口パク)が多いですが、動いている映像だけでも貴重。レインボウでのライヴなんかは放映されたままなのでインタヴューとかが挟まってしまうのが残念だけど、当時の観客の様子なんかも映し出されていて興味深い。みんな大人しいし、難しい顔している大人とかもいて(笑)、微笑ましい。

すでにキンクス・ファンならもちろんおすすめ。まだこれからという人にはちょっとおすすめ出来ません。やっぱりオリジナル・アルバム、あるいは安くて秀逸なこの2枚組ベスト位が先でしょう。

amazonにて購入(¥4,898)

  • CD (2012/8/21)
  • Disc: 6
  • Format: Box set, CD, CD+DVD, Import
  • Label: Sanctuary UK
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