建て替え前の並木藪蕎麦(創業大正2年・1913)には以前伺ったが、建て替え後はまだ一度も入った事がなかった。ちょうど浅草に居たので、並木通りまで出てみる。店の前には大きなスーツケースを抱えた人が2、3人。並ぶのは嫌だな、と思っていたら、すぐに引戸が開いて中から招き入れられた。よかった。建て替えを施工した建築屋のHPを見ていたので、分かってはいたが、建て替え前とほとんど変わらない店内の様子。震災後の耐震の問題で商業ビル化がすすむ東京の建築にあって、改めて老舗の矜持を感じさせてくれる建て替えの方法だ。素晴しい。ひとり客と見るや、以前と変わらず、さっと新聞を置いてくれる給仕のお姉さん達。混雑していても本当に居心地のいい店だ。
↓ 建て替え前の並木藪蕎麦(撮影:2010年)
夕飯時ではあったが、この後に予定も入っていたので、サラッと1枚だけ手繰ろうと、せいろを注文。ひっくり返したざるの上に拡げられた蕎麦、それにとびきり辛いつゆ。変わらない味を楽しんだ後に、蕎麦湯を少しいただいた。今回は壁に貼られた品書きの一番端に「そば味噌折」の文字を見つけていた。以前から頼んでみたいなァと思っていたのだが、お酒を頼んだ時にちょこっと付けてくれるそば味噌をお持たせとして販売しているのだった。どの位の量だとかは全然知らずにひとつお願いした。勘定の時に包んで下さったのは高さ10cmくらいの蓋付きの陶器の入れ物(写真下)にたっぷり入ったそば味噌。入れ物には「並木やぶ」の文字が(「ぶ」は変体仮名)。晩酌が楽しみ!(勘定は蕎麦¥750、おみや¥1,600)
以前の記事はこちら
東京都台東区雷門2-11-9
(並木薮蕎麦 並木やぶ蕎麦 並木藪そば 並木藪そば 並木やぶ そば味噌折 蕎麦味噌折 おみや)