The Righteous Reed! The Best of Poppa Lou / Lou Donaldson (1994)
ブルーノートから出ているルー・ドナルドソン(Lou Donaldson)のベスト盤。自身がリーダーのアルバムのみならず、数々の有名アーティストのセッションに参加しているツワモノ。自分は60年代後半のソウル・ジャズ期の彼の演奏が好きで聴き始めたので、初期のバップ期はほとんど意識して聴いた事がないが、自分が彼の参加していることを知らずに聴いているセッションもたくさんあるかもしれない。
ソウル・ジャズ、特に彼のようなサックス演奏を中心としたスタイルのジャズは、当時のヒット曲や、黒人文化(公民権運動など)に多大な影響を与えたジェームス・ブラウン(James Brown)なんかの曲をカヴァーしていることが多い。ただこういうカヴァーは歌が無い分、ややもすると「デパートのBGM」みたいなつまらない解釈になりがちなので、「かっこいい」と「かっこわるい」の境界が紙一重だ。日本では(世界的だったかな?)、90年代に「レア・グル―ヴ」という取り上げられた方で再評価されたので、自分のようなファンも出てきたのだと思うが、それ以前は他の大物ジャズ・アーティストと違い、ごく一部のジャズ・ファンにしか認知されていないアーティストじゃなかったかと思う。主にヒップホップやダンス・ミュージックの素材(元ネタ)としての再評価だった訳だが、レア・グル―ヴ自体かなり幅広く柔軟なククリだったし、基本的に過去の素材ばかりだったので、随分とレコード会社の売上には貢献したのではないだろうか。アーティスト本人には恩恵があったのか分からないが。アルバムで聴くとあまり出しゃばる事のない彼のサックスだけれど、ライヴで聴いたらどんな感じだったんだろう。…まさかと思って調べたら、まだツアーに出ている!(御歳89歳…)
中古店にて購入(¥324)
- CD (1994/9/22)
- Disc: 1
- Format: Import
- Label: Blue Note