Shadows In The Night / Bob Dylan (2015)
今月に発表されたばかりのボブ・ディラン(Bob Dylan)の最新作。フランク・シナトラ(Frank Sinatra)が歌ったスタンダードの数々をカヴァーした問題作。もっとも問題作と思っているのは自分だけかもしれないが…。このアルバムの世間での評判の良さに正直驚いている。というのも、全編同じ調子で歌われる各曲に思い入れのない世代の自分にとっては、ディランのロックな部分が全く見えないアルバムというのは結構辛い。とにかく歌いたいディラン…。
(全編カヴァーという意味で)同じような雰囲気のアルバムとしては「Christmas in the Heart 」があったが、そちらよりも更にグッとくるものが少ない。オリジナル・アルバムはもちろん、ブートレグ・シリーズも全部揃えている位のファンである自分の身にとってもだ。最近のディランはもうギターを持たないし、去年の来日公演でもヴォーカリストとしての立ち位置が主だったので、「歌いたい」というスタンスはなんとなく理解は出来るのだけれど…。2000年以降のディランのオリジナル・アルバムは傑作揃いだけに、余計に戸惑う。ちなみにジャケット・デザインは過去の作品からするとかなり良い方だ、これでも(笑)。
現在74歳のディラン。今でも精力的にライヴ活動を続けていて、しかもこのニュー・アルバム。恐れ入る。もちろん彼くらいの人物なら何をやったって構わない。昔から自分がやりたいと思う事をやって、周囲を驚かせ、戸惑わせ、混乱に陥れたディラン。この作品を聴いた今の自分の気分はまさにそれだが、この作品をしっかりと咀嚼して楽しめる日が、果たして自分にやって来るだろうか…。
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- CD (2015/2/3)
- Disc: 1
- Format: CD, Import
- Label: Sony