愛知県一宮市で昼に訪れたのは鰻屋の「うなぎや」。シンプルにそのままの店名。看板が掛かっているのでもちろん分からない事はないが、大通りから外れているし、建物はいたって地味なので目指して行かないと分からない。店の戸を開けると目の前は調理場で客席は横に長い。テーブルが4つ、小上がりが2つ程のこじんまりとした佇まい。壁は煙で燻されており風格がある。年配の主人はもっぱら焼台の前で、人懐っこい給仕女性が2人、地元の人だろう客と楽しそうに談笑している。自分が座ると同時に出ていった先客は、何と96歳のお爺さんで、自転車で来て丼ぶりを1杯完食していったと給仕のおばちゃんが教えてくれた。そこに居たみんなと「凄いねー。」と感心しきり。店に入ったとたんこんな感じで和やかな店だ。品書きはうなぎ丼、長焼定食、鯉のあらい、きも焼き、とシンプル。その値付けが凄い。「うなぎ丼」は950円、1300円、1800円の3種のみ(上とか特上とは書いてない)。このご時世になんという安い値付け。ものは試しと「950円」を注文してみた。
しばらくして蓋付きの小振りな丼ぶりに盛られた「うなぎ丼」が登場。値が高くなったとかで出さない店も増えてきた守口漬と、ちゃんと肝の入った肝吸いまで付いている。スゴイ! 蓋を開けると小さめにカットされた鰻が5切れ程。量はもちろん少ないが焼きは上々で旨い。軽く食べたい時だったら充分だろう。たれも甘過ぎずいい感じなのだがちょっと量が多い。食べ終わって底に溜まるほどなのが玉にキズ。しっかり出汁の効いた肝吸いも飲み干して勘定してもらった。次は必ず「1800円」で。どんなものか楽しみ。電車で来て酒(日めくりカレンダーからいくとたぶん賀茂鶴)と「鯉のあらい」から始めるのもいいかも。(勘定は¥950)
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うなぎや
愛知県一宮市本町4-8-17
※令和4年9月末を以って閉店されましたが、令和5年2月に別資本で再開されたとのことです
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