平日の午後5時前。ちょっと早くに用事を終えることが出来たので、そのまま伏見へ。この時間でというと「大甚」か「伏見地下街」ということになるが、外から覗いてすでに満席に近い「大甚本店」は別として、ゆっくりと座りたい気分だったのですぐ近くの「大甚中店」へ。外壁の”甚”の文字が落ちているのはこの秋の台風でかな。暖簾をくぐって中に入ると予想通り先客2名のみの静かな店内。調理場のおばちゃん2名と給仕の若いのといういつもの布陣。同じ賀茂鶴の菰樽が置かれている姉妹店だが、どうしてこうも違うのか(笑)。お兄さんに樽酒を”鈍燗”(ぬる燗)でお願いして、立って酒肴の並ぶ小さなカウンターへ。まだ数少ない皿の中から選んだのは「小イカの煮物」。
席に戻って一緒に届いた樽酒を徳利から猪口に注ぎグイッと。…滲みるナー(←まだ時間が早いからね)。小イカは甘辛く煮てあり子持ちだった。透き通っていてしみじみと旨い。ゆっくりと静かに杯を重ねる。電球色の照明、AMラジオの音が微かに聴こえる静かな店内、正直本店と比べて見劣りする酒肴の種類…。でも嫌いじゃないんです、この雰囲気。スカスカだけど何だかイイ。あえてこちらに来る他の御仁もきっとそうなんじゃないかナ。普段なら次は何、次は…となるのだが、どういう訳かこの日はこれでいいやという気分になり、お兄さんが「お酒何かお持ちしましょうか?」と言ってくれたけれど、これで勘定にしてもらい、滞在時間20分で店を後にした。(勘定は¥780)
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酒房 大甚中店
愛知県名古屋市中区栄1-6-9
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