北区の志賀公園を北に行った道路沿いにある手打うどんの「甑暉(こしき)庵」へ。道路を挟んだはす向かいには人気の洋食屋「みやちょう」がある。”こしき”とは難しい言葉だが、調べてみると米を蒸すための土器(のちの蒸籠にあたる)のことだとか。店頭の看板には「甑庵」とあり、下の暖簾には「甑暉庵」とある不思議。店の裏手路地には駐車場と、裏の出入り口もある。暖簾をくぐると調理場には白髪の主人、給仕は若い女性が2名。テーブル席に案内され腰を下ろす。注文は何も決まっていなかったので少し待ってもらい、品書きを眺めた。好物の「かつ丼」や、うどん・天ぷら・ご飯というラインナップの「甑庵定食」(これは漢字一文字…)もあって迷ったが、蒸し暑い中を自転車で走ってきたので「手打ちきしめん」を”ころ”でお願いした。”ころ”は品書きに載っていないが、注文を通した給仕女性に答えて「ころきし一丁!」と主人の威勢の良い声がしたことで問題なく注文が通ったことが分かる。
先客は数組だったが後から続々と客が入って来て(すわ、”密”に…)と思っていたところに「手打ちきしめん(ころ)」が登場。多めのつゆが貯えられた水面には、わかめ、山菜、赤縁の(名古屋)かまぼこ、揚げがのっている。刻みネギと練りわさびは別皿で。名古屋の麺類食堂で”ころ”を注文すると、必ずと言っていいくらい刻みネギは別で出される。早速きしめんを手繰る。薄打ちだがしっかりとしたコシとのび。うん、旨い。麺線が長いものは歯で噛み切らないといけないくらいのしっかりとした弾力がある。締められたきしめんが暴れながらつゆと共に喉を通り過ぎる快感。やっぱり暑い時にはいいなァ。揚げは定石通り甘く煮てある。やや酸味のある山菜(よく市販されているようなミックスタイプのもの)は好みではなく、つゆの味を変えてしまうのでちょっと持て余したが、わさびを効かせながら一気に食べ終えた。ここは”自家製ブレンド味噌使用”という「味噌煮込みうどん」も旨そうなんだよなァ。汗だくになって食べてみようか。(勘定は¥530)
※令和3年9月20日を以って閉店されました。
手打めん処 甑暉庵 (甑庵)
愛知県名古屋市北区金城町4-13
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